Epizootic Catarrhal Enteritis

ECE概論


 フェレットの病気Epizootic Catarrhal Enteritis ではECEと略され、通称グリーンウイルスと呼ばれています。1994年頃、アメリカでのフェレットショー(品評会)などを通じて急速に広まったフェレットの伝染病です。現在のアメリカでも感染が続いています。日本では管理された繁殖場でのベビーしか輸入されなかったので、この病気の発生はなかったのですが、近年日本でもアメリカから繁殖用などとして成獣を輸入したり、アメリカ在住の方が帰国時にフェレットを連れて帰るということもでてきたため、この病気が日本でも蔓延する可能性が高まってきたと指摘されています。

 この症状は、異臭のある明るい緑(黄色の場合も)のひどい下痢(水状態)がほとんどです。その便に赤黒い粘液が混じることもあります。風邪やストレス、消化不良でも緑色の下痢をすることがあり、勘違いしやすいので注意しましょう。下痢は2〜3日で一旦落ち着くこともありますが、長く続くことが多いです。下痢が治まってもその後に拒食が始まって、体重が半減してしまうこともあります。数ヶ月にわたって下痢が続くこともあります。口の中に赤黒い斑点が見られることもあります。下痢が続けば、脱水症状や栄養不良に陥りやすく命にかかわります。アメリカでもまだ調査研究中の病気であり、日本ではこの病気を診断できる獣医さんは少ないでしょう。検便をしても菌や寄生虫が見あたらず、腸炎や胃潰瘍と診断されてしまいます。便の状態と感染性があるかどうかを見極めます。

 潜伏期間は3〜5日です。しかし6ヶ月未満の若齢フェレットは無症状感染や発症が遅いということもあります。症状が続くのは2、3週間から数ヶ月と様々です。発症すると嘔吐から始まり、その後水のような下痢になります。嘔吐と下痢を繰り返したりもします。特徴は明るい緑色の水下痢ということです。一般的な抗生剤、下痢止め、整腸剤、栄養剤の補給、点滴等で治療していきます(今後は適正な抗ウイルス製剤や予防ワクチンの登場が期待されるところです)。フェレットの体力次第で快復します。若いフェレットは回復も早いのですが、老齢のフェレットの場合は致命傷になることもあります。治療と同時に体力や体重をもとにもどすように、食事療法も必要です。ダックスープも有効です。ひどい脱水症状をおこすので点滴や電解質ドリンク等での水分補給が不可欠です。早期診断、早期治療、しっかりと栄養補給して根気よく療養させていけば、時間はかかるものの治りますし、決して恐い病気ではありません。また、ケージやハンモック、飼い主のくつなどを定期的に消毒をしなければなりません。

 気をつけなければならないことは、フェレット同士で感染していくということです。フェレット同士の接触や飼い主の衣服を媒介して感染したりします。他の動物や人間とは感染することはありません。キャリアー(症状がなくてもウイルスを放出している)のフェレットや発病フェレットを絶対に他のフェレットに接触させたりしてはいけません。2次感染を避けるようにしなければなりません。今後は、フェレットがたくさん集まる場への参加や発症報告のあるフェレットのいる場所への訪問は慎重にするべきかもしれません。

 ECEは決して恐い病気ではありません。的確な治療と食事療法で症状は治まります。脱水症状に気をつければ、致死率もきわめて低い病気です。隔離治療と隔離飼育で他のフェレットへの感染もほとんど防げます。類似症例の他の病気と混同しないように、正しい知識をもち、判断、治療、療養してあげてください。

ECEの特徴

・ウィルス性で感染する
・初期の嘔吐、緑色の水のような下痢
・長期にわたる断続性の下痢と体重の減少
・補助的なケアを数か月必要とする場合もある
・短い潜伏期間、高い発病率、死亡率は低い
・生後3ヶ月未満のベビーは無症状でウイルスを仲介
・下痢が治まった状態でもウイルスを長期放出するので2次感染の可能性が高い
・老齢フェレットには特別なケアが必要


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