Epizootic Catarrhal Enteritis
ECEの予防と治療
[予防について重要なこと]
- ジステンパーと違ってまだワクチンが開発されていません。ジステンパーの予防接種をしているからといって安心してはいけません。ジステンパーの予防接種をしていてもECEに感染します。感染したフェレットとの接触を絶対に避けることです。
- なるべくフェレットが集まるイベントにフェレットを連れて参加しないことです。フェレットを連れていかなくても参加しないことをおすすめします。ウイルスがあなたの衣類に付着して帰宅と同時に感染することがあるからです。
- 感染源になっているショップや繁殖家からフェレットを購入しないことです。感染源からのベビーフェレット(その子自身は発症していない)を2匹目として迎え入れたとき、前からいる子がその数日後に発症したというケースが一番多いです。
- フェレットが集まるイベントや感染源になっている場所へ行った場合は、帰宅後、すぐに着替え、靴を洗浄殺菌、シャワーを浴びることです。それをしなければ自分のフェレットに触ってはいけません。
- ECE歴1年未満のフェレットや下痢症状のあるフェレット、そしてその飼い主を自分の家に訪問させてはいけません。フェレットが集まるイベントに参加したフェレットは、その参加後1週間は健康状態を確認させてから、訪問させます。
- 今すでにフェレットを飼っていて、新たにフェレットを購入する時、里子を迎えるとき、預かるときは、前もってそのフェレットの健康状態をよく聞くことです。そして迎え入れた1週間はよく観察し、すぐに一緒にしない、同時に触らない、用品を共有しないことです。
- 自分のフェレットがECEに感染したときは、他のフェレットと接触させないことです。イベントに参加しない。フェレットを里子に出さない、預けないでください。そしてあなた自身もイベントやペットショップへ行って他のフェレットを触らないでください。
[治療について重要なこと]
- 下痢をしたからといって、あわてないことです。単なる消化不良や風邪、ストレス性腸炎でもECEに似た症状を示すことがあります。他のフェレットとの接触で雑菌性腸炎というものもあります。便の状態(水下痢や色)や嘔吐物、衰弱状態をよく観察して、数日前に感染した可能性のある接触がないか思い出してください。感染源の可能性のある場所へ問い合わせして確認するのも方法ですが、「自分のところが感染源です」ということを本当に言う人や店はまずいないでしょう。
- 早期診断をしてもらうために動物病院へ行くことが重要です。病院内で2次感染を防ぐために他患者のフェレットに触ることは避けてください。空気感染はしませんがあなたが相手のフェレット触ったり、相手があなたのフェレットを触ると感染します。
- ECEの場合、細菌検査、寄生虫検査でなにも出ませんので、普通の腸炎と診断されてしまうことが多いです。感染性で思い当たることを告げてください。
- ECEに効果のある抗ウイルス製剤はまだ開発されていません。治療は時間がかかりますが、症状を抑えていく間接療法になります。
- 下痢を止める処置、整腸剤、脱水症状をとめる処方をしてもらいます。あとは下痢が治まるまで食事療法です。病院で処方してもらう下痢時のキャットフードA/D缶やダックスープ等で栄養を補給(強制給餌になるかもしれません)を続けてください。
- Williams博士はアモキシリン抗生物質を飲ませる(10−20mg/Ib 1週間毎日2回)ことを推奨しています。他には腸を保護したり炎症を抑えるためにPepto
Bismol や Kaopectate (1-2ccを2〜3回/日)を投与する方法もアメリカの獣医によっておこなわれています。(薬の使用についてはまだ未知の部分もあり、使用される医師はご自分の責において慎重に判断願います)。
- 国内の飼い主さんより、インターフェロン(抗ウイルス剤)がECEの症状緩和に非常に効果的であったという報告があります。臨床例が少ないので効果があると断定はまだできません。非特異的な抗ウイルス剤としては今のところ有望な選択枝と考えられます。
- そのフェレットの年齢によって治療期間は違いますが、高齢ですと半年くらい下痢が続くこともあります。高齢なフェレットほど死亡率は高いですが、普通の若いフェレットでしたら、早期治療で早く治ります。
- 治療はかならず隔離しておこなってください。他のフェレットを近づけないように配慮してください。
- 下痢が治っても、ウイルスが消滅したということではありません。感染後6−8ヶ月はウイルスを放出していますので、できれば1年を過ぎるまでは、他のフェレットと接触させないようにしてください。
[Mary Van Dahn女史のアドバイス]
- ECEウイルスは胃や小腸を攻撃し、栄養や水分の吸収を抑制します。フェレットの胃や腸のために吸収のよい食事を与えなければいけません。病気の動物に使われる高カロリーで消化のよいHill's
prescription Diet a/d缶1缶に人間用の補助食品アイソカルを100〜120g、ティースプーン1杯のバターを混ぜて作ります。1日に50g程度を2〜4飼いに分けて与えるように試みてください。水で薄めて注射器で強制給餌することも可能です。
- 胃潰瘍のための治療薬PepcidA/CもフェレットのECEに効果があります。快復するのに長期の日数がかかるものの口内炎をおこすおともなく、胃や腸を快復させます。なによりも無味で少量のためフェレットが嫌がらない利点があります。
- ECEウイルスの症状があったフェレットに、すぐにPepcidA/C液を10cc1〜3回与え、3週間投与をしたところ、ウイルスによる胃潰瘍を防止できました。
- Drsusan Brown医師は、激しい下痢のフェレットにImodium液体を1cc内服させます。また必要に応じて1〜4日間10〜25ccに希釈したものを1〜2回与えつづけることを薦めています。水下痢便が軟便になってきたらImodiumの投与を中止します。連続して4日以上は与えてはいけません。
- PrednisoloneもECEによる炎症を抑える効果があります。1〜2週間は1日1回の内服。それ以後は1日おきに1回の内服。1回に25〜50mg。Prednisoloneは糖尿病のフェレットには有害であるため、処方をはじめる前に血糖検査を必要とします。
- 早期治療においては、Amoxicllin(アモキシリン)がよく使われます。抗生剤は使用しません。投薬と食事療法を同時に行うことが大切です。
[ペットショップでの管理]
- フェレットの仕入管理や健康管理はしっかりおこなうこと。ショップ内感染をおこさないように配慮しなければいけません。
- 他の動物や人間への感染はありませんが、ミンクへの感染がわずかながらありえます。
- 展示フェレットにお客さんがむやみに触らない環境を作ってください。水槽型展示ボックスがいいでしょう。
- フェレットをお客さんに抱かせたり、お客さんのフェレットと接触させて相性をみるなんてことは、危険なことだと理解してください。これをしないと売れなくなると考えたくなるでしょうが、その限度をどこまでにするかそれぞれ考えてください。
- 下痢をしたフェレットがいれば、念のため隔離して顧問獣医師に診察してもらうべきです。フェレットに詳しい獣医師を顧問にすることをおすすめします。
- 返品されたフェレットは1週間隔離して健康状態をみるべきです。使用された用品の返品商品は再販しないことがベストです。
- 購入者からの症例報告(購入した子と同居したフェレットが下痢をした)が多発した場合、フェレット販売を一旦中止し、仕入れ前感染、ショップ内感染の調査をすることをおすすめします。問題がないことがはっきりするまでは新規仕入れを控えるべきです。
- 感染防止策がとれないかぎり、不特定多数のフェレットが集まるイベントを店で企画しないことです。イベントが感染源になればその責任は大きいです。
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[相談窓口]
- ECEに関する相談は、国際フェレット協会にも多数寄せられています。また情報も集まってきています。下痢の症状についてはかかりつけの獣医さんに相談するのがいいのですが、それでも不安なときは協会へ相談するのもいいでしょう。協会へはあらかじめ協会員登録しておくことをおすすめします。(国際フェレット協会03-3718-3430)
[その他]
- 予防のための消毒、治療中の用品の消毒、あなた自身や衣類の消毒は塩素(家庭用漂白剤)を使用してください。アルコールスプレーは時差併用するにはいいですが、アルコール単体では効果が期待できません。
- サークル主催者はオフ会等でも十分に注意をしてください。事前に参加するフェレットの健康状態を確認しあうことをおすすめします。規模が小さい集まりでも油断は大敵です。
このページでは、最新情報が届き次第更新しています。
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