イヌジステンパー


 イヌジステンパーの症状は急性の死から慢性的な症状までさまざまです。目の感染症(目やに)から始まり、あごや唇、おなかの皮疹、足の肉球(ハードパッド)が認められます。下痢、嘔吐、重度の嗜眠といった症状もみられます。そして発作やけいれんをおこして昏睡につながります。潜伏期間は1週間から3週間です。予防接種後すぐに発症するということはめったにありません。予防接種後1ヶ月過ぎて異常がなければ安心できます。皮膚症状の伴わないジステンパーも少ないながら症例報告されています。
 フェレットがこのウイルスに感染させられると致死率100 %といわれています。野良犬や感染された動物、それらの徘徊する公園や不潔なペットショップ、動物病院内、フェレットのイベントなどが感染源となります。さらにはこのウイルスは感染物質と接触した靴や服の上でさえ長時間生き続けることができるので、外来者が感染源になることっだって考えられます。蚊や空気中のウイルス感染もまれにあります。日本でも劣悪な犬の繁殖場からジステンパー感染した犬がいまだに出たりしており、フェレットへの2次感染も増えています。
 ジステンパーには治療法がありません。その悲惨な姿をみると安楽死が最も親切な解決法とも思えてきます。なぜなら、発病以降の経過は長くそして痛みをともなう道のりだからです。予防は、ジステンパーワクチンの接種によってのみできます。ワクチン接種は「2年免疫効果がある」という説がありますがこれはとんでもない間違いです。ワクチンによる副作用や発症の危険性もありますが、大切なフェレットをどう守るかよく検討してみてください。
 予防接種をうけさせないという選択肢もありますが、その場合はくれぐれも慎重になさってください。フェレットはもちろんのこと、飼い主さん自身もペットショップや動物病院、犬の繁殖場、動物関係のイベント等への出入りを慎むべきです。飼い主さんがウイルスの仲介となって、自分のフェレットに感染させたり、まわりのフェレットや犬に感染させたりする可能性があるからです。もし、ワクチン接種をしていないフェレットがジステンパーの症状を発したら、いきなり動物病院へ連れ込んではいけません。病院の待合所で他の犬やフェレットに感染させてしまうからです。必ず電話でジステンパーの疑いがあることを告げて病院の指示どおりに来院してください。たいていは裏口からはいることになります。
 ジステンパーの類似症状にインフルエンザやウイルス性風邪があります。目やに、濁った鼻水、皮疹、下痢、嘔吐、嗜眠、発作、けいれんなどジステンパーによく似ています。ハードパッドはおこしません。動物病院でもまれに誤診されやすいので注意しましょう。多少費用がかかりますが、ウイルス検査のできる機関が日本にもありますので、動物病院を通じて依頼してみるのも方法です。

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