投稿214:高齢プレの不正咬合

子供の頃から病院にお世話になる事も無く

(大変なおてんばで他人に身を委ねるなどありえない状況で、

健康診断等も一切行っていませんでした)、

それが、7歳頃に白内障になり、

9歳で堅いものが食べられなくなり、

昨年秋(10歳)には上の前歯二本が自然に折れてもう生えて来なくなりました。

しかし下の歯はまだ生え続けているため、どんどん延びて、

上あごを傷つけるようになり、上の歯が折れてから三ヶ月後には

寝床の布に少量の血液が付くような状態になってしまいました。


すでに亡くなった前の2匹の時にお世話になった、

信頼のおける動物病院の先生に電話で問い合わせましたが、

やはりプレーリーの歯をカットするには麻酔が必要な場合が多く、

しかし高齢のため麻酔のリスクを覚悟しなければという想像通りの言葉で、

目の前は真っ暗でした。


とにかく一度連れて来られたらどうですか、と先生に背中を押され、

夫と車に乗って病院に向かいました。

その時の車中の重苦しい雰囲気は今でも思い出すと気が沈みます。

麻酔のリスクや安楽死などというワードが出てきて、

どうしようもない気持ちになってしまいました。


ところが、、、

診察台に乗せ、先生に抱かれると意外や意外、

おとなしくしているではありませんか。

目はまん丸ですが暴れる事も無く、観念した様子です。

…家でフローリングの上を歩くと後ろ足が滑ったりして、

筋力も衰えていたため暴れる力もだんだん無くなって来ていたのだと思います。

もうおてんばさんではありませんでした。


「これだったら麻酔無しでカットできるね。」

という先生の言葉がどれほど嬉しかった事でしょう!


無事にカットも終わり、次の日に起きると見違えるように元気になりました。

その時から現在まで、下の歯だけ相変わらず伸び続けている為、

定期的にカットに通っています。


さて、しかし筋力の方はいよいよ無くなっているようで、

四つん這いの格好でお皿の流動食を舐めたり、

私がスプーンですくった流動食を舐める時に、

立っていられずに前につんのめってお皿に顔を突っ込んでしまう事が増えて来ました。


そして数週間前の事です。

下の歯がまた延びて来た事もありますが、

ご飯を食べても少しでイヤイヤするようになってしまい、

シリンジで口の横から入れたりしていましたが、やはりたくさんは食べたがりませんでした。


しかし、まだまだ毛づやも良く目力もあるのに、

エサが食べ辛いがためにただただ小さくなっていくこの子を見ていられず、

なんとか良い食べさせ方は無いかと探っていました。

そこで「小動物用 ほ乳瓶」の存在にたどり着いたのです。


でも通販で注文して届く前にますます体重は減ってしまい、

病院に連れて行くと、今回歯をカットしても食欲が戻るかどうか、、、と、

最後の覚悟を促されたような事になってしまいました。


その日は下の歯のカットと、

抗生物質とブドウ糖と整腸の注射を打ってもらい帰りました。


家に帰るとちょうどほ乳瓶が届いており翌日早速試してみたところ、

最初は本人も「ん???」と、どうやって飲もうかと考えたようですが、

ほ乳瓶の口を舐めているうちに、

ある程度の量を口の中に含み、

そしてムシャムシャ(奥歯で噛む)という手順がわかったらしく、

私も、ほ乳瓶(ボディが柔らかい)を

少しずつ押して中身を出し、数秒で離し、ムシャムシャが終わったらまた押し出す、

という連携作業を覚え、

今ではその食べやすさのおかげで体重もすっかり元に戻りました。

しかも栄養も効率良く採れるようになったようで、

少しずつ筋力も付いて来てフローリングでうしろ足が滑らない日まで出て来るようになりました。


やはりシリンジとは違い、ほ乳瓶の乳首部分は柔らかいですし、

抵抗が少ないのかもしれません。


以前にお皿から流動食を舐めている時は、

よく鼻の穴から空気をプシュっプシュっと出して苦しそうで、

口の周りもどろどろになっていましたが、

ほ乳瓶だと、ハンカチを首の周りに巻いてやり即席の「よだれかけ」を作ると

手も出さず汚れず本人も食べやすそうです。


BACK