出産と人工保育
プレーリードッグは個体差もありますが、だいたい11月くらいから発情が始まり、1月くらいに交尾、そして2月くらいに出産、4月くらいに巣穴からベビーが顔を出します。妊娠期間は30-35日です。
早熟なプレーリードッグは1年目で発情が始まるケースもありますが、たいていは2歳から発情が始まり、繁殖可能になります。ですので、発情中のプレーリードッグに、若すぎる相手を同居させるのは無理があります。ただし若い相手を迎えるのは相性よくスムーズに仲良くなりやすいです。こんなケースの場合は、繁殖は翌年からにしましょう。片方が発情中だけ別居が理想です。

(発情中のメスの陰部。赤く膨らんでいます)
プレーリードッグは繁殖させようとしても、なかなか出産までいかないケースや育児放棄も多く、失敗するケースがあります。うまくいかなかった場合でもかわいがれるお気持ちが大切です。しかもうまくいっても1年に2〜4匹しか生まれません。繁殖をめざそうという方はのんびりやるくらいの気持ちが欲しいところです。
屋外飼育と室内飼育では、屋外飼育のほうがうまくいくケースが多いのですが、土中飼育では感染症の心配もあり、人間との共存の考えからいっても個人の方にはおすすめできません。室内で大切に育ててほしいと思います。
なるべく、大きめのケージを用意してあげてください。巣箱は2つは設置してあげてください(もう1つはお産箱として)。巣箱内はいつも快適な温度、巣箱の外は若干の気温差があったほうがいいようです。発情期から出産まではなるべく人間が干渉しないようにしてあげてください。最低限の掃除とコミュニケーション程度にしましょう。とくに出産から育児中はかなり神経質になります。
妊娠期および授乳期に母親には栄養も重要です。エサはいつもの量の1.5〜2倍を与えてあげてください。カルシウムが不足しがちになります。この時期は、カルシウム剤を添加したり、プレーリーポップを与えてあげてください。母親が栄養不良になると子食いをしたり育児放棄したりします。水分が不足すると、子食いの原因になります。野菜や果物を多めにあげたりボトルを2個つけてもいいでしょう。





(妊娠中のメス、お腹が膨らみ、乳首も膨らんでいます)
もし生まれたら、おちついて授乳できる場所が必要です。巣箱の他に授乳スペースを作ってください。つまりケージの中に巣箱と産箱の2つが必要です。産箱はハウス巣箱または四角い木箱に穴があいたものでもいいです。外からのぞけないようにします。真っ暗にしてはいけません。直接ヒーターを置くとベビーがヤケドしますので、室温を保つか産箱の底木の下にヒーターを置いて間接保温をするようにします。そこにタオルまたは敷き草をいっぱいいれてあげます。なるべくそっと静かにさせることが重要です。ベビーの人工授乳はとても難しいので、母親がミルクをあげるような環境をぜひ作ってあげてください。父親は同居でもストレスになっていないようでしたら一緒でかまいません。
出産直後はメスはほとんど動きません。食事も取らないでしょう。子供の体についている羊膜などを舐めることにより、かなりの栄養が体内に有ります。すぐに食事を取らなくても心配しないようにしてください。
一番大切なことは、飼い主さんが落ち着くことです。ベビーの出産で飼い主さんがそわそわすれば、プレが落ち着かなくなります。それが悪化すれば、育児拒否や子食いの原因にも発展する可能性がありのであくまでもいつもと変わらないように、でも意識はプレちゃんに向けてください。
温度管理は大体18〜22℃のあいだにしてあげてください。掃除はなるべく最低限にして、ベビーには触らないようにまた母親を驚かせないようにしてあげてください。やむをえずベビーを移動するために触るときは手袋をして人間の臭いをつけないでください。

(ハウス巣箱を改良した産箱)
プレーリードッグの人工授乳は、なかなかうまくいきませんので、離乳するまでは母親の母乳を飲ませるようにします。
プレーリードッグの飼育放棄や子殺しは、残念ながらよくあることです。初乳を与えることなく育児放棄してしまいますので、生まれたベビーの生存率はとても低いのが現状です。できるだけ母親にストレスや緊張を与えないように配慮しなければいけません。とくに出産直後は人間が近づかないようにしたほうがいいです。育児放棄した場合は人工保育という方法という手段があります。初乳を与えられることなく放棄された場合は、27℃で保温しながら「IMILAC」という特殊なミルクをカテーテルや特殊な注射器で2時間おきに授乳することです。ただし高度な技術と忍耐が必要です。また生存率は低いので覚悟が必要です。
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(当社での人工保育風景 新生児と生後30日ベビー
参考資料:飼育下での出産体験記