歯疾患
健康な歯は黄色をしています。透明がかった歯はカルシウム不足です。通常は下の歯が上の歯より長いです。下の歯が伸びすぎのように見えますが、口がきちんと閉じることができれば正常です。歯が伸びすぎてくると口がうまく閉じられなくなったり、出血したりしやすくなります。
歯の伸びすぎやかみ合わせが悪くないか、年に1度は動物病院でチェックしてもらいましょう。ソフトタイプのフードを与え続けると歯が伸びます。堅いペレットタイプのフードを与えましょう。また「かじり木」などで遊ばせながら予防もいいでしょう。
ベビーの場合、歯が永久歯に生え替わります。乳歯が抜けてもまた生えてきます。乳歯が抜ける時期は生後2〜4ヶ月ですが個体差もあります。
事故等で永久歯が抜けたり、折れたりしても、歯髄(神経細胞)の損傷がなければ、また生えてきます。歯髄に損傷を受けた場合や雑菌で組織が炎症を起こした場合は生えてこなくなります。ケージを噛んだりすることにより不正咬合(歯の変形・不揃い)がおきたりしますので注意しましょう。落下事故による歯のトラブルも注意しましょう。

落下事故をおこした(左写真) 上の歯が折れたため、下の歯が伸びてしまった(右写真)
不正交合や切歯が発生するとエサをきちんと食べられなくなります。伸びすぎる歯は、獣医さんで定期的に切ってもらうことになります。不正交合防止のために、ゆとりのあるケージでストレスや運動不足がないよう環境を整えてあげるましょう。事故等で歯が折れた場合は、炎症をおこさないように動物病院で早期治療を受けさせてください。
歯のトラブルによって食事がきちんととれなくなった場合は、牧草の柔らかい葉、粟の穂、リンゴの薄切り、ニンジンのすりおろし、オートミール、野菜汁、青汁、ヨーグルト等の食べやすいメニューにして工夫しましょう。草食動物用の粉末療養食「クリティカルケアフード」はぬるま湯で溶かして与えられる食事ですので便利です。食物繊維サプリメントも有効です。
プレーリードッグの歯は自然な状態だと、下の歯はきちんと閉じられた状態ですが、興奮したり、口をこじ開けたりすると広がった状態になります。これは自然なことであり不正交合ではありません。時にベビーはまだ歯が柔らかいのでこれが顕著です。寝ている時やリラックスしている時に歯の状態をチェックします。寝ている時でも歯が曲がっていれば不正交合と判断します。

同一のベビーの2枚の写真。左は自然な状態の歯。右は興奮時の歯。
オドントーマ(歯牙腫)について
歯のトラブル後にオドントーマ(歯牙腫)になることがあります。歯牙損傷で歯根部の炎症で、歯根の細菌が肺炎、副鼻腔炎(蓄膿)、呼吸困難を引き起こし、心不全と鼓腸になり、死亡する確率の高い病気です。(癌ではありません)。ケージの齧り過ぎや落下事故などで歯に極度の負担がかかると、歯根の膜が急激な刺激に支えられず、エナメル質の不整形や芽細胞が死んで石灰化のマスを形成してしまいます。問題なのは、上顎の切歯が鼻腔に近接しているので、それを圧迫して呼吸困難に陥ることです。最後の対策としてはレーザー治療で胃袋の神経を促進させ、それにより、胃のガスを排出させ、心臓の治療と歯根部の炎症の緩和の治療を継続することで延命させます。唯一の根本策としては手術で、歯を根元から取り除き、鼻にドレーン(ゴムの管)をしばらく入れ、排膿させます。しかし、この手術で助かる確率は極めて低いです。歯のトラブルがあったときは放置せず、消毒や炎症止めをしっかりおこなう必要があります。鼻疾患のページも参照ください。

天井に網をはった水槽ケージで歯の治療中
唾液腺腫について
プレーリードックに比較的多い病気で「唾液腺腫」があります。 これは唾液腺に何かしらの外傷ができ、そこに雑菌が入り込み、腫れてしまう物です。外見的には頬が膨らんでみえてきます。初期症状での体調変化はあまりありませんが、重度になってきますと食欲不振・膿腫などが起きてきます。治療法としては症状にもよりますが、一番は外科的処置になり後は抗生剤の投薬になってきます。早期治療が懸命です。

頬のふくらみは唾液腺腫、虫さされ、歯のトラブルが考えられます