相談室回答例


塩土をペットショップで与えた方がいいと言われたのですが。

塩土は岩塩と赤土、ボレー粉を水と混ぜて固めたものです。鳥用です。鳥は胃が4つあり、その中の筋胃(砂肝といわれる)で食べ物を粉砕させるために、この塩土を補給する必要があります。そして鳥は塩を必要としますので普段のえさ(粟やキビ、ヒエ)に含まれない塩を与えます。

チンチラ専用の良質なフード(加工ペレット)には必要量の塩分はすでに含まれており、別途に与えると塩分過剰摂取になります。また胃に砂を溜め込む必要はありません。チンチラは草食動物ですので牧草などの繊維質の多い食事を与えてください。

日本では、かじり石(チンチラストーン)(アメリカではチューブロックと呼ばれてチンチラ飼育の必需品として使われています)が手にはいらない昔には、塩土がやむなく歯の健康のために代用品として使われていたことがあります。

10年くらい前に、どこかの動物輸入業者が作成したチンチラ飼育手引きに塩土が必要と書かれていました。塩土にはすぐに崩れてしまうソフトタイプとソルトホイールといってとっても固いハードタイプの2種類があります。海外でも「ソルトホイールはかじり石の代用として使うことがある」という洋書の記述があるためこの部分を翻訳したものと推定されます。代用には後者が使われます。

いまでもかじり石を販売していないお店では塩土をすすめているところもあるようです。かじり石がどうしても手にはいらないというのでしたら、やむなく塩土(ハードタイプ)で代用ということになるのでしょうが、かじり石が手にはいるのでしたらあえて塩土を使う必要はないと思います。

もし、食事は牧草だけでペレットを与えていない、かじり石もないという状況でしたら、塩土を囓らせるということは容認されるでしょう。使い方次第で役にもたつこともあれば有害になることもあります。塩土をすすめる場合はこのことをしっかり説明しなければいけないと思います。また塩分の取りすぎは腎臓に負担をかけますので注意してください。


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