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ハリネズミ健康情報


ハリネズミの生物学値

項目 アフリカハリネズミ ヨーロッパハリネズミ
体重 オス500〜600g
メス250〜400g
オス800〜1200g
メス400〜800g
体温 36.1〜37.2℃ 34〜37℃
繁殖年齢 オス6〜8ヶ月
メス2〜6ヶ月
オス9〜10ヶ月
メス9〜10ヶ月
妊娠期間 34〜37日間 32日間
出産数 1〜7(平均3) 3〜5
開眼 13〜16日 13〜16日
離乳 4〜5週 5〜6週
平均寿命 5〜8年 6〜10年
最適環境温度 25〜30℃ 22〜27℃

参考資料:「Exotic Animal Formulary」


(妊娠中のハリネズミ)

ハリネズミの健康

 ハリネズミは本来、とても丈夫な生き物で、間違った飼育をしない限り元気に育ちます。カルシウム不足や栄養上の偏りを防いで免疫力をつける食生活が病気予防になります。

 ハリネズミの針は時々抜けることがありますが、たくさん抜けるときは、栄養失調やダニ、皮膚病が考えられます。ベビーの時期は新陳代謝が激しいのでハリが生え替わるのでそれほどきにしなくてもだいじょうぶです。

 まれに、虫がお腹に湧くこともあります(野生の昆虫をエサとして与えている場合に多い)ので、そんな時は獣医さんに薬を処方してもらいます。下痢が続くときは寄生虫の疑いがありますので早めの治療が必要です。寄生虫がいる下痢便は甘酸っぱい臭いがすることが多いです。寄生虫がいる場合は、絶対に他の動物との接触はさせず、食器も一緒に洗ってはいけません。動物を触る前と後は必ず手洗いをします。洗浄には必ずイソジンウオッシュ殺菌液かオスバン殺菌液を使用します。ケージ、巣箱、食器、ボトルは定期的に殺菌します。家庭では熱湯消毒や漂白剤消毒が簡単ですが、ヒビテン消毒薬がおすすめです。一晩つけ込みます。

 時々、敷き草などを食べて吐き出します。これを体に付着させることがありますが、匂いをつける行動ですので病気ではありません。

 敷き材を食べてしまわないように注意をしてください。エサ入れの中にはいったりしないように気をつけてください。食べて胃壁を傷つけたり閉塞を起こして死亡する例があります。

 ハリネズミは急に偏食になったりエサを食べなくなったりします。ハリネズミの偏食を直すのは少々大変な面があります。ハリネズミは人間が思っている以上にガンコな面があり専用フードにならそうと思ってもなかなか戻れない場合があります。体調不良が原因の偏食よりも贅沢嗜好の偏食は直すのに時間と忍耐がかかる事を最初に御了承ください。 コーン、牛肉、ミルワーム、カッテージチーズは嗜好性が高いですが、タンバク質や脂肪のみが偏って高いので、これらの食材に、粉にしたハリネズミフードを少し振りかけます。それで食べてくれる様でしたらば、比率を少しずつあげていきます。食べが悪くなったら、一端食べた比率まで戻します。これを何度か繰り返して、ちゃんとしたフードをメインにします。 勿論、コーン、牛肉、ミルワーム、カッテージチーズは食事のトッピングとして使用される事にはまったく問題はありません。当社では温度を一定にさせ、(急に暑くなったり寒くなったりしないよう調整)専用フードの他にマーシャルフェレットフードを混ぜてドロドロにして与えたりもします。ミルワームやピンクマウスも食欲増進にさせる食材でもあります。

  サルモネラ感染症がよくおこります。昆虫や鶏卵によって菌が腸内に潜在し、ストレスや抗生物質療法によってよって腸内細菌が変化したりすると症状が現れます。致命傷になりやすいので早めの治療が必要です。

 たまに風邪をひくこともあります。(すきま風、濡れる、人からの感染が原因)ほっておくと体力がなくなり死んでしまうこともあります。食欲がなくても、必ず食事(ぬるま湯でフードをふやかすのも方法)を与えたり、好きな餌や栄養剤を与えます。天然ハーブでできた、風邪の緩和剤「ベトレックス」も有効です。ひどいときは獣医さんにみてもらいます。ハリネズミの肺炎は細菌性が多く、寒さのストレスや殺虫剤の毒刺激、寄生虫や腫瘍で悪化することがあるので、飼育環境や健康維持が大切です。風邪の初期で治療しておくことです。

 冬は保温対策でヒーターを使用すると思いますが、初めての使用時には、低温ヤケドに注意しましょう。ヒーターに慣れていないハリネズミには直接触れないようにタオルをまいたり巣箱の下に置いたり工夫しましょう。


(低温ヤケドの症状)

 歯石による歯の炎症や皮膚炎をおこすこともありますが、これらはビタミン・ミネラル不足による抵抗力の弱さで炎症をおこしているのが原因です。栄養を充分に与えることが予防になります。もしなってしまったら早めに獣医さんにみてもらってください。また糖分の多いドッグフードやキャットフードを代用すると歯石がつきやすくなります。

 ハリネズミの口の中には雑菌が多いため、口内炎をおこしやすいです。口の中をケガしないように餌の破片には注意してください。固い餌はふやかして与えることが基本です。ハリネズミ同士が喧嘩して噛むと相手が炎症をおこしやすいので注意してください。

 皮膚疾患(皮膚炎や針の抜け)は、栄養不良やシダーチップ(杉)のアレルギー、皮膚糸状菌症が原因であったりします。食事や環境の見直しや抗真菌剤の投与を獣医さんに判断してもらいます。

 皮膚にフケ状のものがでているときは皮膚の新陳代謝の場合が多いですが、ツメダニ(外部寄生虫)が発生している可能性もあります。アドバンテージ、アイバメクチン等の投与で治療します。薬浴の治療もあります。


(薬浴は獣医さんの指導でおこないましょう)

 顔(目と鼻の間)ににきびのような物ができて大きくなってきたり黒ずんできたりすることがあります。 このような皮膚トラブルにはいくつかの可能性があります。1.細菌性の場合 2.脂肪過多の場合 3.腫瘍 4.遺伝性 5.ウィルス性等があります。床敷きが不衛生な場合、雑菌が大量に発生し炎症の様な状態を起こす場合があります。食事内容があっていない場合や、嗜好性の高い食事ばかり続けていれば、脂肪のかたまりができる場合があります。(特に虫類などが足りない)ハリネズミは以外と腫瘍の出来やすい動物です。大きくなっていく様子があれば可能性も十分考えられますが、腫瘍の場合悪性と良性がありますので獣医師の元で、病理検査を受けられることがいいでしょう。また遺伝的にブツブツができることがあって健康に支障がないこともあります。

 顔や体に吹き出物(にきび)ができることがあります。ハリネズミにはよく出ます。たいていは自然になおっていきます。早く治したいときは、抗生剤の飲み薬でなおります。ハリネズミは他の動物に比べ、雑菌に免疫が少し弱い傾向があり、怪我をすると化膿したり、ちょっとした傷で炎症になったりしやすいです。他のハリネズミのハリが刺さってできる場合もあります。また、口のまわりにブツブツができやすいです。口の中もエサの破片で切ったりすると腫れたりしますのでふやかしフードがおすすめ。虫歯にも注意が必要です。

 ハリネズミは足をケガすることがよくあります。雑菌がはいって死にいたることもあります。爪は伸びすぎないように定期的に切り、布などが爪にひっかからないように配慮します。安全なケージを使用し、運動不足やカルシウム不足によるストレスで自分の足を噛んでしまうこともありますのでストレスにならないように配慮します。もし、ケガをしてしまったら早めに獣医さんで薬を処方してもらいます。放置してはいけません。また敷き草は汚れないようにこまめに取り替えて下さい。

 見慣れない物や強い臭いに遭遇するとアンティングと呼ばれる動作を行うことがあります。泡唾液を口いっぱいにして何度も舐める行為のことです。この理由はまだ不明ですが、天敵から身を守る、針を清潔に保つ、寄生虫対策、性的興奮とも言われています。


(ハリネズミのアンティング)

 ハリネズミの腫瘍(癌)は、症例はそれほど多くはありませんが、快適な飼育環境下で長寿をまっとうできるようになれば、高齢病としての発症することはありえます。また人間が食べるものを与えたり、添加物が多いフードは避けることをおすすめします。肥満にならないように注意したり、品質のよいヘルシーなフードを与え、適度な運動で予防します。腫瘍の場合、手術ができないので、投薬やアガリクス投与で免疫を上げる方法がよくとられます。腫瘍の血管新生を邪魔する、副作用の無い栄養補助食品に漢方薬の「アガリーペットサメ軟骨」があります。この粉末製品が動物病院で1包で20日分で、320円程度で買えます。これの生涯投与がおすすめです。水に溶いてシリンジで飲ませる方法で与えます。共立製薬株式会社のアガリーペットサメ軟膏は共和アガリスク茸とサメ軟膏から製造されており、腫瘍の成長を抑える働きがあります。

 正常な尿は透明でPH5-6.5です。腎炎はキャットフードを与えられたハリネズミに多くみられるので注意してください。

 WHS(プルプル症候群)はハリネズミの病気として、近年研究が始められました。手足が震えて酔ったように歩きます。原因は不明(エサ・飼育方法が変わっても発症する場合があり、特定の繁殖場に限定されない)。ストレスや妊娠、遺伝、ビタミンB1不足などが指摘されていますが、まだ不明です。予防や対策としては運動をさせる、水を多く飲ませる、ビタミン剤を添加する等があるといわれています。WHSで死亡したハリネズミを解剖すると脱髄がみられます。神経繊維をつつむサヤが壊れることです。もし人間の脱髄性神経炎と同じと想定するなら風邪の感染を予防することが大切ということになります。まだこれから解明されていく病気です。

 ハリネズミは抗生剤に過敏に反応する場合があります。体重から正確な投与量を計算するとともに、強い作用のあるものはなるべく避けるようにします。また乳酸菌製剤を同時に与えないと腸の抗生剤の作用で腸の動きが悪くなることがあります。お薬をどうしても飲ませる必要があって、なかなか飲んでくれない場合はヤギミルクに混ぜて飲ませるとうまくいくようです。

 体重減少は歯疾患や腫瘍の可能性があります。

 ハリネズミは出産後に飼育放棄するケースもあります。そんな場合は人工授乳で育てる必要が出てきますが、牛ミルクでは下痢をおこしてしまいやすいです。ヤギのミルクで育てる方法があります。


血液生化学値(ヨーロピアンハリネズミ)
ヘモグロビン 36.0-38.5%
赤血球 7.03-7.64x106/ml
血小板 230-430x103/ml
白血球 6.3-9.6x103/ml
好中球 1.6-2.8x103/ml
好酸球 0.36-2.4x103/ml
好塩基球 0.096-0.45x103/ml
単球 0-0.084x103/ml
リンパ球 3.72-6.14x103/ml
血清蛋白 5.1-7.2g/100ml
血液尿素窒素 13.3-15.0mmol/l
ナトリウム 132-138mmol/l
カリウム 3.6-5.1mmol/l
カルシウム 2.0-2.3mmol/l
リン 2.0-3.8mmol/l

参考資料:エキゾチック獣医学ハンドブック


子供の頃に聞いた、亡き老獣医師の話を思い出して。

『動物っていうのは、野生下で病気になったらすぐに天敵にやられてしまう。
だから、病気を隠そうと、病気の子ほど、いつもより元気そうに振舞ったりする
本能が有るんだ。もう、それも出来ないほどぐったりしてからじゃ、遅いんだ。
だから、一見元気そうに見えても、良くも悪くも、
"普段とは違う行動や態度・雰囲気を取る事こそが、病気のサイン"でも有るんだよ。』

『自覚症状が無くても、動物的な勘から、本能的なところで異常を察知してる事も有る。
痛いも苦しいも無いのに、何か体に変化が起こっている、動物って、人間以上にそういう事に敏感に察知したりする。
決して、動物が病気に鈍感な訳ではないんだよ。
特に飼い主の前では元気そうに見せようとしたりするけれど。
足元に張り付いてスキップしたりするのは、飼い主の目には元気そうに見えても、
動物が、一生懸命、"ねぇ、ボク何かおかしいんだ!?"』と、
訴えてる行動かもしれないんだよ。それを忘れないで」

作成: SBSコーポレーション