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ハリネズミ健康情報


ハリネズミの生物学値

項目 アフリカハリネズミ ヨーロッパハリネズミ
体重 オス500〜600g
メス250〜400g
オス800〜1200g
メス400〜800g
体温 36.1〜37.2℃ 34〜37℃
繁殖年齢 オス6〜8ヶ月
メス2〜6ヶ月
オス9〜10ヶ月
メス9〜10ヶ月
妊娠期間 34〜37日間 32日間
出産数 1〜7(平均3) 3〜5
開眼 13〜16日 13〜16日
離乳 4〜5週 5〜6週
平均寿命 5〜8年 6〜10年
最適環境温度 25〜30℃ 22〜27℃

参考資料:「Exotic Animal Formulary」


(妊娠中のハリネズミ)

ハリネズミの栄養学

 ハリネズミの正確な栄養要求量は分かっていない点が多々あります。ヨーロッパハリネズミ(ナミハリネズミ)の食性に関しては、多くのデーターがありますが、アフリカンハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)に関しての食性データーはまだまだ少ないのが現状です。

○ヨーロッパハリネズミ(ナミハリネズミ)の食餌(野生下)
甲虫類・イモムシ・ミミズ・ハサミムシ・ナメクジ・ハエの幼虫・ミツバチ・スズメバチ・コオロギ・クモ・カエル・トカゲ・鳥の卵・小型哺乳動物の死体、キノコ、木の葉、芽・樹皮等
○アフリカンハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)の食餌(野生下)
アリ・トカゲ・ヘビ・鳥のヒナ、卵・小型げっ歯類成体及び子供等

これら自然界に生息するハリネズミの食性からも、ヨーロッパハリネズミ(ナミハリネズミ)は食物繊維に対応でき、アフリカンハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)は食物繊維に対しての消化能力が対応できない面がある事が分かります。一般の飼育下に置いてもこれらの点には注目する必要があります。
食餌の中でのタンパク質含有量は30〜50%以上(乾燥重量)、脂肪は10〜20%以下が理想と言われ、食餌虫のカルシウムとリン比率は1.2〜1.5:1.0が理想です。
生きた昆虫類は飼育下のハリネズミは非常に好みますが、虫類ばかり与えていると偏食が起き、リンの過剰摂取になり、代謝性骨疾患を起こす危険性があります。
ハリネズミは他の動物に比べ、安静時の体温が低い傾向があります。また、アフリカンハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)はヨーロッパハリネズミ(ナミハリネズミ)に比べて、熱代謝が低い傾向があり、成長期を過ぎたアフリカンハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)に糖質・脂質の高い食餌を与え続けると、肥満の原因になります。通常アフリカンハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)は500g以下、ヨーロッパハリネズミ(ナミハリネズミ)1000g以下が平均体重といわれます。

ハリネズミの病気

 ハリネズミは本来、とても丈夫な生き物で、間違った飼育をしない限り病気にはなりにくいですが、栄養のバランスが乱れた食餌、過度のストレス等を続ける事により、病気になりやすくなります。逆にこれらを防ぐことが疾病予防に繋がります。また ハリネズミは抗生剤に過敏に反応する場合があります。体重から正確な投与量を計算するとともに、強い作用のあるものはなるべく避けるようにします。また乳酸菌製剤を同時に与えないと腸の抗生剤の作用で腸の動きが悪くなることがあります。お薬をどうしても飲ませる必要があって、なかなか飲んでくれない場合はヤギミルクに混ぜて飲ませるとうまくいくようです。

★食欲が無い/食べ方がおかしい・・・

ハリネズミの食欲不振は非常に多く、また原因も多種多様です。病的で深刻な食欲不振も有れば、緊急性を伴わない食欲不振もあります。食欲不振になった場合、なってしまった前の段階の症状、後の症状をよく観察して、獣医師の診察を受けるかどうかの判断基準にされるといいでしょう。

○環境性食欲不振

環境の変化(引っ越し・リフォーム・ケージの変更・近隣の工事・新しい家族/動物が増える)により起きる食欲不振です。ハリネズミは臆病で神経質な傾向が有りますので環境に馴染めば自然と食欲が出てきます。ただし、塗装(ペンキやシンナー)に関しては、臭いに対して非常に敏感な動物の為、中毒症状も起こす場合があります。このような場合は至急獣医師の診察をうけましょう。飼い主さん自身の化粧品・香水・ヘアトニック・タバコ・防虫剤・芳香剤・お香・消臭剤・ハンドクリーム等の臭い、成分が原因の場合もあります。

○フード自体の原因(偏食)

フードの主原料の栄養的な変化や風味の変化(同じ銘柄のフードでも製造時期によっては、突然食べなくなる場合もあります)、おやつばかりを与え続けたり等が原因で、ハリネズミは食欲不振や偏食になる傾向があります。体調不良による食欲不振より、偏食が原因の食欲不振は改善にかなりの努力が必要です。コーン、牛肉、馬肉、レバー、ササミ(肉類は必ず火を通す)ミルワーム等の虫類、粉ミルク、粉チーズ、ゆで卵、カッテージチーズ等は嗜好性が高いのでこれらの食材に、粉にしたハリネズミフードを少し振りかけます。それで食べてくれる様でしたらば、比率を少しずつあげていきます。食べが悪くなったら、一端食べた比率まで戻します。これを何度か繰り返して、ちゃんとしたフードに戻せる様にします。これらの食材は、高カロリーのため、ハリネズミは好む傾向があります。ただし、食餌のメインとして使用するには問題があります。(肥満等)勿論これらの食材は、食欲不振が戻った時点で、おやつ等に使われる事は問題はありません。病的な食欲不振時にも有用な食材です。

※当社では温度を一定にさせ、(急に暑くなったり寒くなったりしないよう調整)専用フードの他にマーシャルフェレットフード等の臭いの強いフードを混ぜてドロドロにして与えたりもします。ミルワームやピンクマウスも食欲増進にさせる食材でもあります。リンゴや小動物ゼリーで食欲増進になったという例がありますが、栄養が偏るため、非常時に限定してあまり与えてはいけません。

○口腔内のトラブル

歯周病:ハリネズミは野生化では、甲虫類を食べる事により、歯石を予防すると言われます。
歯周病は口腔内(歯・歯茎等)のトラブルを総称して、歯周病と言います。缶詰・ふやかしたフード等を与えられているハリネズミは歯石がつきやすい傾向があり、糖質の高い果物やフード(ドックフードのモイストタイプ等)、炭水化物の多い食餌(パン・クッキー)では虫歯等になる傾向があります。また偏った食餌により、ビタミン・ミネラル不足による抵抗力の低下が原因で、歯肉炎等や口内炎が起きる場合もあります。またハリネズミは口腔内に雑菌が非常に多く、硬いフードのかけら等で口腔内を傷つけ、同様の症状が出る場合も多々あります。また、ハリネズミ同士が喧嘩して噛むと相手が炎症をおこしやすいので注意してください。

血腫:人間と同じように血豆が口の中にできることがあります。ケージの床に血がついていて、怪我がなく、糞尿に血が混じっていなければ、血腫の可能性があります。口腔の粘膜が傷ついて血豆ができ、それが破裂して血を吐きます。たいていは、1回だけで続くことはありません。治療は必要ありませんが、数回続くならビクタスのような抗生剤を与えるのがいいでしょう。エサは固くなくふやかして与えることで、口内に怪我をすることを防ぎます。

○その他

腸内異物:フードがこぼれて臭いの付いた、布・ペットシーツ・トイレの砂・敷き草や敷き材・ビニール等を飲み込み、それらが胃に溜まり、胃壁、腸壁に傷を付けたり閉塞を起こします。特に子供に多く発生する傾向があります。食欲不振の他に、腹部膨満・元気消失・多飲・排便量や形態の変化・血便・下痢等が現れます。閉塞を起こした場合は早急の処置が必要になりますので、直ぐに獣医師の診断を受けましょう。

アンティング:見慣れない物や強い臭いに遭遇するとアンティングと呼ばれる動作を行うことがあります。泡唾液を口いっぱいにして何度も舐める行為のことです。この理由はまだ不明ですが、天敵から身を守る、針を清潔に保つ、寄生虫対策、性的興奮とも言われています。(病的な物ではありません)時々、敷き草や目新しいフード、生肉などを食べて同様な行動を取るハリネズミがいます。これもアンティング行動の1つと思われています。

(ハリネズミのアンティング)

★お尻が汚れている・・・

ハリネズミは消化が早い動物のため、便の形態は若干緩い傾向があります。正常な便としては、形状はバナナ状で、指で軽い力でつまむとつぶれ、臭いはほとんど無く、色は薄茶〜こげ茶(色は食べ物により変化)になり、以上な便として、ペースト状〜水様便、悪臭や生臭い臭いを発し、緑色や黒色をします。また尿道・肛門付近や生殖器回りが血や分泌物で汚れている、それらが敷き材に付いている場合、内臓系疾患や生殖器系疾患また泌尿器系疾患が考えられます。これらの疾患は重症化しやすいので、早急な処置が必要です。また一部の内臓疾患では、人畜共通感染症もあります。

○下痢(寄生虫・細菌性)

コクシジウム症:急激なストレスにより発症する場合があります。(温度変化・移動のストレス・幼弱個体の飼育等)初期症状の発症は少なく、重症化すると、食欲不振、下痢、元気消失等の症状が出ます。多頭飼育している場合は、まめな掃除とケージ・食器・巣箱の消毒等が感染を防ぐ方法です。なるべくハリネズミにストレスをかけない環境作りを心掛けましょう。検便より、虫体を確認します。

サルモネラ症(人畜共通感染症):サルモネラ菌はほとんどの動物・昆虫が保菌されると考えられています。特にハリネズミの場合(野生種)は甲虫類や昆虫類、死肉、小型野生動物を補食する事により感染すると考えられています。繁殖所自体に長期感染が見られたり、一般飼育下でも、生肉・生水・生卵を摂取したり、野生動物や害獣類との接触、野外の散歩時に直接土に触れたり、昆虫やミミズを補食する事により感染する可能性があります。大半の場合は無症状ですが、症状的には、下痢、食欲不振、元気消失、体重減少、重症化で急性敗血症となり命に関わる場合があります。治療としては獣医師の元での菌分離、対処療法になりますが、発病した場合の治療は難しいです。また人に対しての感染性が高いので、発病した場合ケージ、食器、巣箱、トイレなどの消毒(熱湯や専用の消毒剤、漂白剤が簡単ですが、ヒビテン溶液等がおすすめです)を徹底して行います。ハリネズミに接触した後は、薬用の石鹸(できれば殺菌効果の有る物)での手洗浄を徹底します。特に抵抗力の低い子供には注意が必要です。

胃回虫/食道虫症:これらに感染している昆虫類を食べる事により発症します。一般的には無症状です。重症化で下痢、食欲不振、体重減少が起きます。獣医師の元で駆虫をしてもらいます。

    (正常な便)        (内臓疾患の便)

○血尿

泌尿器疾患:アフリカンハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)に対し、植物性の高い食餌(低品質のフード)や肥満・尿道の細菌感染、飲水量の低下・困難等が原因と見られます。膀胱・尿道・腎炎等が発症と言われております。特にハリネズミは肥満になると、お腹をすって歩くため、尿路感染の可能性が高くなります。日頃からの栄養管理、新鮮な水がいつでも飲めるようにする、ケージを常に清潔に保つ習慣をつけられる事が必要です。症状は頻尿、排尿時に痛みの為鳴く等です。正常な尿は透明でPH5-6.5です。腎炎は粗悪なキャットフードを与えられたハリネズミに多くみられるので注意してください。

○生殖器回りの汚れ

卵巣・子宮疾患:ホルモンバランスの乱れが原因と考えられています。症状的には陰部よりの出血、排膿が確認されます。初期の症状はほとんどが無症状で、変化に気が付いた時にはかなりの進行が考えられます。治療としては卵巣子宮摘出手術をする事が、望ましいと言われます。重症化の場合、投薬等の治療は効果が望まれない場合があります。

★脱毛が起きた・・・

ハリネズミは、被毛が変化した針で背中部分が覆われ、腹側は細く柔らかい毛が覆っています。針は約5000本以上が生えていると言われます。この為ハリネズミは非常に皮膚のトラブルが多いです。

○炎症を伴う皮膚病

細菌性皮膚炎:外傷・咬傷・不衛生な環境等により、傷口より細菌が混入して、発生します。症状は、脱針、発赤等の症状が現れ、重症化で潰瘍、びらん、敗血症になります。抗生剤の投与が有効です。

湿性皮膚炎:高温、多湿、不衛生な環境下に長くいる事により発生します。特に腹側に多く、また肥満傾向のハリネズミに発生しやすいです。糞や尿が長く皮膚に付くと、発生率は上がります。初期症状では、発赤、痒みが見られ、重症になると脱毛、びらん、潰瘍等の症状が見られます。症状の改善には、患部の消毒・乾燥、抗生物質の投与が必要になります。

アレルギー性皮膚炎:食餌、敷き材、トイレの砂等がアレルギーの原因になります。血液検査が難しいハリネズミはアレルゲンの特定は難しく、可能性がある物質の消去法で改善を望みます。激しい痒み、発赤、脱毛等が見られます。特に腹側の発生率が高いです。獣医師の元での診断と投薬(ビタミン剤・ヒスタミン剤)、飼育環境と食餌内容の見直しが重要になります。

皮下膿腫:咬傷や木製スノコ等の“ささくれ”により傷ができ、皮下等に膿が溜まっていく疾患になります。膿の量が多い場合、発熱や食欲不振を起こす場合があり、重症になりますと、症状が全身に進行し敗血症を起こす場合があります。膿腫は一見して腫瘍等に思われがちですので、必ず獣医師の適切な診断を受けられる事が大切です。

低温やけど:冬場、底面ヒーターを飼養している場合に多く発生します。ハリネズミのお腹の部分の皮膚は非常に弱く、ヒーターに直接皮膚が長時間付くことにより、発生します。症状てきには、びらん、水疱、発赤等です。特に水疱が破れると、細菌性感染を起こします。予防としては、ハリネズミの皮膚が直接ヒーターに付かない様、布等でカバーをしたりしてあげましょう。
(低温ヤケドの症状)

○鱗屑(フケ)脱毛を伴う皮膚病1

外部寄生虫性:ハリネズミは非常に外部寄生虫性の脱毛・脱針が多いです。主な寄生虫はマダニ・ヒゼンダニ・キュウセンダニになり、外部寄生虫の種類により、体液(血液)を吸うタイプや皮膚組織に浸透するタイプ等色々です。皮膚糸状菌症と併発している場合も多く、外部寄生虫の駆虫と合わせ、糸状菌の治療も進めます。マダニに関しては、繁殖所の個体には少なく、大半は野生種に発生します。症状は、激しい痒み、脱針、脱毛、フケ、重症化で、炎症、敗血症等があります。獣医師の診断の上アドバンテージ、アイバメクチン等の投与お来ないます。症状では薬浴の治療もあります。
(薬浴は獣医さんの指導でおこないましょう)

○鱗屑(フケ)脱毛を伴う皮膚病2

皮膚糸状菌症(人畜共通感染症):白癬菌、小胞子菌等の感染により起きます。特にヒゼンダニとの併発症状が多く。ストレスや栄養の足りない食事、不衛生な環境等も症状を悪化する原因になりえます。フケ、痒み、脱針、脱毛が見られ、慢性化で皮膚の角質化等が見られる。獣医師の検査・診断で投薬、治療が必要ですが、飼育環境の見直しや、換気を良くする等も重要になります。人畜共通の感染症のため、患部を触った後は薬用石鹸などで手を洗う事が望ましいです。

○針が抜けることについて

ハリネズミは髪の毛の進化ですので、抜け替わりします。1匹に5000本の針が生えています。健康な子でも1日に1020本抜けて、また同じ本数が生えてきます。

環境が原因で針がよく抜ける場合があります:敷材(草や木くず)でアレルギー皮膚炎をおこすことがありますペットシーツが破れて、中の綿が皮膚についてかぶれた場合に抜けやすくなります。杉の木でできた巣箱でアレルギーを起こす場合があります。巣箱でなく、寝袋(小さすぎる)を使用する場合、布に針がひっかかって抜けやすくなることがあります。ストレスが多い場合、エサのカルシウムが少ない場合、針が抜けやすくなります。これらの場合は環境を見なおしてあげてください。

こんな抜け針のケースもあります:ダニ駆除薬のあとに薬の効果で針が多めに抜ける場合があります。若いハリネズミは皮膚の新陳代謝が活発で、古い皮膚が剥がれて新しい皮膚が生まれるときに針も同時に抜けやすくなります。ただ新しい針もすぐに生えてきます。健康で元気がある場合は様子をみてもいいでしょう。 

こんな場合には注意してください:新しい針が生えてこないで、部分ハゲができる場合。フケが多く、皮膚が汚れている、ピンクでなく赤い皮膚の場合。落ちたフケに小さな虫(ダニ)が動いている場合。ダニや皮膚炎の可能性がありますので、動物病院で検査をしてもらってください。

針が抜けるというだけで診断をせずに、皮膚の顕微鏡検査で診断をしてもらってください。ハリネズミの背中は毛が密集する他の動物と違って通気性がいいので、よほど湿度の高い環境でない限り真菌皮膚病にはあまりなりません。針が抜けても健康な場合も多く、あまりにひどい場合はダニやアレルギー性皮膚炎、栄養不足が原因ということが多いです。

○その他

耳のギザギザ:幼少のハリネズミにたまに見られます。栄養不足、親や兄弟に齧られた、皮膚疾患(上記参照)などが考えられます。とくに成長期の食事と、1匹だけでの単独飼育が重要です。

ストレス性(心因性):騒音や環境変化等のストレスにより発生します。皮膚炎等は起こさない場合が多く、原因を無くすことにより症状の改善が見られます。

栄養性:タンパク質・カルシウム・ビタミンE・ビタミンBの低い食餌や内臓系の疾患により、栄養が吸収できない場合に起きます。年齢、体調に合った食餌管理や栄養剤の使用により改善がされます。

代謝性脱毛:ホルモンバランスの不均等や異常から発生すると考えられています。細菌性皮膚炎や皮膚糸状菌症と併発している事が多く、これらが完治しても、針が生え始めない場合は可能性があります。確定した治療方法はなく、食餌の改善、サプリメントの投与等をします。

顔や関節、指にできた腫れ物:顔(目と鼻の間)ににきびのような物ができて大きくなってきたり黒ずんできたりすることがあります。 このような皮膚トラブルにはいくつかの可能性があります。怪我、咬傷が原因で細菌感染を起こし皮下に膿腫ができた場合や、脂肪過多の食餌を続けていた場合、遺伝性、腫瘍等が原因になりる場合があります。腫瘍の場合、悪性と良性があり、悪性は大きくなりますので、獣医師の元で、病理検査を受けられることが望ましいです。大抵は自然になおっていきます。治療は症状により変わりますが、抗生剤の投与やビタミン剤の投与などが行われます。
(目の付け根にできた腫れ物)

★目がおかしい・・・

ハリネズミの眼の疾患は少ないですが、外傷性や炎症性の場合は、悪化させないためにも早目の治療が必要です。

○涙が出る、目が濁る

角膜炎:ケンカ、異物混入(敷き材等)、乾燥、アレルギー、他の感染症の2次的症状により発病します。外見からの病状判断が(涙・目の炎症・目が開かない等)可能ですので、症状を発見しましたら早目に獣医師の診断・治療を受けられるといいでしょう。

白内障:眼球の真ん中部分(水晶体)の部分が何らかの原因で濁る事により白内障を発見する事ができます。若年性・老齢性・炎症性・栄養性等が有りますが、国内で飼育しているハリネズミには栄養性(肥満)が原因の白内障の発生率が高いようです。完治は非常に難しく、食餌の改善等で進行を遅らせる程度です。幼弱個体が発症する白内障(若年性白内障)は遺伝性の要因が強いと言われます。

★呼吸ががおかしい、鼻水がでる・・・

ハリネズミの呼吸器疾患の発生率は高く、初期状態での症状はほとんどありません。細菌性・原虫性・カビ類・ウィルス・寄生虫性等が原因ですが、ストレスや温度変化、殺虫剤の毒刺激、腫瘍(肺転移)でも発症することがあるので、飼育環境や食餌管理の見直しも大切です。食欲不振は体力を極端に落としますので好きな餌や栄養剤を与えます。天然ハーブでできた、軽い風邪やアレルギーの緩和剤「ベトレックス」も有効です。

○呼吸がおかしい(呼吸器性疾患)

細菌性肺炎:ストレスがこの疾患の原因になる場合があります。急激な温度変化や不衛生な環境な為、高アンモニア濃度になり、アンモニアが呼吸器粘膜を傷つけ、発病を誘発させます。細菌が主な原因ですが、腫瘍・ウィルス・毒物等の2次的症状として、発症する場合が多々あります。また末期まで目立った症状が出ない場合もあり、突然死をする事により発覚する場合があります。一般的な症状として、呼吸困難・削痩食欲不振・元気消失等が見られます。

寄生中性肺炎:野生個体に好発します。カタツムリやナメクジを補食することにより寄生虫が間接的に体内に入り込みます。一般飼育下では発症しませんが、野外にいるナメクジやカタツムリ等の軟体動物をむやみに与えるのは危険です。元気消失、食欲不振、体重減少、呼吸困難、発咳が見られます。他の疾患と症状が類似しているので、発見が遅れる場合があります。

○鼻水が出る

アレルギー:敷き材や刺激物、芳香剤等の刺激物が原因になる場合があります。原因物質を取り除くのが大前提になります。アレルギー性から細菌性等の肺炎を誘発させる場合がありますので、飼育環境の改善が必要です。

★歩き方がおかしい・・・

ハリネズミは足をケガすることがよくあります。雑菌がはいって死にいたることもあります。爪は伸びすぎないように定期的に切り、布などが爪にひっかからないように配慮します。安全なケージを使用し、運動不足やカルシウム不足によるストレスで自分の足を噛んでしまうこともありますのでストレスにならないように配慮します。もし、ケガをしてしまったら早めに獣医さんで薬を処方してもらいます。放置してはいけません。また敷き草は汚れないようにこまめに取り替えて下さい。

○脚が動かない

骨折/脱臼:爪の伸びすぎによる怪我(布や底網に引っかかる)、ケンカ、間違った保定、落下により発症します。外科的手術が難しいため自然治癒に任せますが、外傷性の場合は、抗生剤の投与や運動量の制限が必要になります。

○後肢に力が入っていない

WHS: WHS(プルプル症候群)はハリネズミの病気として、近年研究が始められました。手足が震えて酔ったように歩きます。はっきりとした原因は不明ですが、栄養不良・ビタミンの不足(ビタミンB1欠乏)・ウィルス・細菌・中毒・外傷・過度のストレス(お産、転居)・遺伝等が考えられています。アフリカンハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)に主に発症し、特に1〜3歳のハリネズミに好発する傾向があります。予防や対策としては運動をさせる、ストレスを与えない環境を作る、ビタミン剤を添加する等があるといわれています。WHSで死亡したハリネズミを解剖すると脱髄がみられます。神経繊維をつつむサヤが壊れることです。もし人間の脱髄性神経炎と同じと想定するなら風邪の感染を予防することが大切ということになります。まだこれから解明されていく病気です。また特定の品種に好発する事から、品種固定の為の近親交配等も原因ではないかと、推測されています。治療方法が確定されていない病気の為、発病した場合は対処療法しかありません。急な冷え込みによる冬眠に近い状態になった場合やカルシウムが低い食事を与えた場合にも、類似症状が出ますので、WHSと 判断を間違えることがあります。

後肢麻痺:落下事故、外傷、脾臓肥大、骨髄性白血病により発症します。症状に合った治療が必要になります。排尿困難のハリネズミは予後不良です。

直腸リンパ腫: 通常腸壁は薄いものですが、肛門から5cmくらいまでの腸壁が腫れる状態になります。腎臓も萎縮しますが、心臓や肺、肝臓などは非常にキレイな状態です。早い段階でリンパ腫ということが分かっていれば、ステロイド剤などで多少はコントロールが効くかもしれません。自分で立つことも出来ないフラフラの状態になります。エサは消化しやすいものを与えること、冬眠させて内臓を衰弱させないことをこころがけてください。

ハリネズミの発作を動画で紹介(1.7MB)します

(レントゲン写真)

★その他

腫瘍:ハリネズミの腫瘍(癌)は、症例はそれほど多くはありませんが、快適な飼育環境下で長寿をまっとうできるようになれば、高齢病としての発症することはありえます。また人間が食べるものを与えたり、添加物が多いフードは避けることをおすすめします。肥満にならないように注意したり、品質のよいヘルシーなフードを与え、適度な運動で予防します。腫瘍の場合、手術をして摘出します。手術ができない場合は投薬やアガリクス投与で免疫を上げる方法がよくとられます。腫瘍の血管新生を邪魔する、副作用の無い栄養補助食品に漢方薬の「アガリーペットサメ軟骨」があります。この粉末製品が動物病院で1包で20日分で、320円程度で買えます。これの生涯投与がおすすめです。水に溶いてシリンジで飲ませる方法で与えます。共立製薬株式会社のアガリーペットサメ軟膏は共和アガリスク茸とサメ軟膏から製造されており、腫瘍の成長を抑える働きがあります。


(大きな腫瘍ができたハリネズミの手術前写真と摘出した腫瘍の写真)

糖尿病:発症原因は不明な点が多いです。多飲多尿、痩せてくる等の症状があります。有効な治療方法は主に食事療法になります。

冬眠の失敗:ヨーロッパハリネズミ(ナミハリネズミ)は冬眠をする習性が有りますが、アフリカンハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)は冬眠をする習性がありません。ただし、気温が急激に下がると、仮死状態に陥ります。このような場合は早急に起こすことが大切です。ペットボトルで簡易湯たんぽを作り、ハリネズミを小さな入れ物にいれて、暖めます。起き出したら、ハチミツ水やミルクを与えます、そしてできるだけ早く獣医師の診断をうけましょう。深い仮死状態に入ってしまったハリネズミは、たとえ目が覚めても、極端に弱り、多臓器不全を起こしている場合があります。

育児放棄:ハリネズミは出産後に飼育放棄するケースもあります。そんな場合は人工授乳で育てる必要が出てきますが、牛ミルクでは下痢をおこしてしまいやすいです。ヤギのミルクで育てる方法があります。

参考書籍 エキゾチックアニマルの診療指針Vol.2 エキゾチックアニマル臨床シリーズ「飼養と栄養」 


血液生化学値(ヨーロピアンハリネズミ)
ヘモグロビン 36.0-38.5%
赤血球 7.03-7.64x106/ml
血小板 230-430x103/ml
白血球 6.3-9.6x103/ml
好中球 1.6-2.8x103/ml
好酸球 0.36-2.4x103/ml
好塩基球 0.096-0.45x103/ml
単球 0-0.084x103/ml
リンパ球 3.72-6.14x103/ml
血清蛋白 5.1-7.2g/100ml
血液尿素窒素 13.3-15.0mmol/l
ナトリウム 132-138mmol/l
カリウム 3.6-5.1mmol/l
カルシウム 2.0-2.3mmol/l
リン 2.0-3.8mmol/l

参考資料:エキゾチック獣医学ハンドブック


子供の頃に聞いた、亡き老獣医師の話を思い出して。

『動物っていうのは、野生下で病気になったらすぐに天敵にやられてしまう。
だから、病気を隠そうと、病気の子ほど、いつもより元気そうに振舞ったりする
本能が有るんだ。もう、それも出来ないほどぐったりしてからじゃ、遅いんだ。
だから、一見元気そうに見えても、良くも悪くも、
"普段とは違う行動や態度・雰囲気を取る事こそが、病気のサイン"でも有るんだよ。』

『自覚症状が無くても、動物的な勘から、本能的なところで異常を察知してる事も有る。
痛いも苦しいも無いのに、何か体に変化が起こっている、動物って、人間以上にそういう事に敏感に察知したりする。
決して、動物が病気に鈍感な訳ではないんだよ。
特に飼い主の前では元気そうに見せようとしたりするけれど。
足元に張り付いてスキップしたりするのは、飼い主の目には元気そうに見えても、
動物が、一生懸命、"ねぇ、ボク何かおかしいんだ!?"』と、
訴えてる行動かもしれないんだよ。それを忘れないで」

作成: SBSコーポレーション