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フェレット資料室

Lymphosarcoma

リンパ肉腫


 Lymphosarcomaはリンパ肉瘍としてフェレットに、ごくまれに発生する疾患です。この疾患についてアメリカのWilliams博士が最新情報をレポートしています。博士の承諾を得て、当社が翻訳、記載いたしました。原文はhttp://www.afip.org/ferrets/lsa.htmlです。


 リンパ肉腫はほとんどの他の動物種と同様にフェレットで最も頻繁な造血性新生物であり、最も高頻度に発症する悪性疾患です。本疾患に関してかなりの数の文献がありますが、私たちは実際にはほとんど知らず、残念ながらわずかの症例しか救っていません。

 この新生物は増加の傾向にあります。開業獣医と病理学者は過去数年間のリンパ肉腫の発症率の増加を報告しています。ある診察実務では、毎週1症例か2症例です。リンパ肉腫の発症率の増加と症例の時々の群発は、現在までにウイルスが原因であることを推測させていますが、原因因子はまだ分離されてはいません。 リンパ肉腫の種類先ず、リンパ肉腫の多様な形状を見てみると、フェレットでは基本的に2つの臨床的状態があります。即ち、2才以下のフェレットで、最も頻繁な急速に進展するリンパ肉腫タイプと、5−7才のフェレットに生じるもっと慢性的なリンパ性タイプです。末梢結節の顕著な増大を生じさせるリンパ肉腫の「古典的」タイプは高齢動物で見られ、その両方の症候群でもっと長期の経過を示しています。本疾患では、小さい成熟リンパ球の浸潤は末梢結節と腸間膜に広がり、最終的に結節構造を拭い去ってしまいます。疾病経過の後期に、新生物性リンパ球は内臓(肝臓、腎臓、肺臓、脾臓を含む)に浸潤し、臓器不全や死亡を生じさせます。本疾患は通常潜行性であり、広範囲臓器への浸潤が生じるまで臨床的にほとんど認められません。 1才か2才のフェレットに発病するリンパ芽球性タイプはかなり異なっています。本疾患では、大きな未成熟リンパ球は胸腺、脾臓、肝臓と他の多くの臓器を含む内臓に迅速に浸潤します。これらの症例では、リンパ節置換はほとんどか全く見られず、その所見は広範囲のフェレットの経験を持たない獣医に高い率で誤診断を生じさせています。このタイプは、関与臓器により多様な臨床像を示します。より頻繁な状態の一つは呼吸困難を生じさせ、しばしば心筋障害や肺炎として診断されます。本症候群の病巣は、肺を圧迫する急速に増殖する胸腺塊です。頻度は低いが、新形成性リンパ球による広範囲の肝臓浸潤は、劇症肝臓疾患を示唆する顕著な肝臓酵素の増加と黄疸を生じさせるかもしれません。リンパ芽球性リンパ肉腫は、若いフェレットの重大な疾患に対処する時に、常に切除されるべきです。

 最後に、新形成性リンパ球が末梢血液内で循環する白血病タイプは、どちらかのタイプの後期に見られるかもしれませんが、一般的に希です。

診断
 多くの症例のリンパ肉腫では、診断は容易ではありません。確定診断にはリンパ節の吸入物又は生検結果の解釈が必要です。リンパ節吸引物中の未成熟リンパ球の単一形態群の存在は本疾患を非常に強く示唆していますが、フェレットに経験のある病理学者の意見を全症例で聞くべきです。かわりに、拡散性疾患の動物での診断は内臓器の生検でされるかもしれません。おそらく、脾臓は陽性吸引物や生検の数が最も多いでしょう。

 過去数年間に渡って、本疾患の診断の混乱傾向が見られます。即ち、フェレットでのリンパ肉腫の証拠としてのリンパ球数の増加の解釈です。リンパ肉腫の多くの症例はCBC上にリンパ球増加を生じますが、同様な変化は多くの慢性感染症に見られるでしょう。最も知られているのは胃のヘリコバクタームステラエ感染症です。慎重な開業獣医は治療を開始する前に、吸引物や生検によって診断をするでしょう。

治療
 いくつかのプロトコールはフェレットにおけるリンパ肉腫の治療法について発表されています。予後不良については化学療法を行う前に所有者に知らせるべきです。プレドニゾン1mg/kg PO SIDからなるプロトコールは初期臨床的改善と末梢結節の大きさの顕著な減少を生じさせますが、これらの動物の大多数は、プレドノゾン治療に難治性の拡散性疾患で4−6週間以内に所有者に返されるでしょう。最も普及している積極的プロトコールは、14週間に渡る静脈内投与化学療法剤−ビンクリスチン、アスパラギナーゼ、サイクロホソハミド、ドキソルブリシン(経口プレドニゾンと一緒に)−の併用からなっています。積極的治療はより積極性の低いプロトコールと比べ、より高い寛解率であるようです。

概要
 概要として、フェレットを治療する開業獣医は、一定ベースでリンパ肉腫に遭遇しています。そのような症例を評価し、治療する時にはいくつかの事を知っておくべきです。フェレットの年齢が若い程、その疾患がより速く進展し、予後は不良になります。若いフェレットはしばしば急速に増殖する胸腺塊の存在の為、心不全や呼吸器疾患の兆候を伴っています。リンパ肉腫の診断は、リンパ節や頻度は少ないが内臓の極細注射針吸引物や生検上の芽球性リンパ球の単一形態群の存在と完全細胞数カウントでの無変化に基づいています。プレドニゾンは初期臨床的改善を生じさせるかもしれませんが、もっと積極的な化学療法は、寛解を誘導する変化を増強します。最後にリンパ肉腫の全てのフェレットは、いずれかの治療プロトコールを開始する前に不良予後が示されるべきです。


これらの情報が皆様のフェレットたちの健康にお役にたてますように
We whish this ECE infomation help keep health for your Ferret.
フェレットショップ 丹羽 匡
Tadashi Niwa

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