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フェレット獣医学

[麻酔]

現在、フェレットに使用されている麻酔は、isofluraneです。利点は、すみやかな吸入、かかり具合の調節のしやすさ、早い回復そして医師にも助手にも以前に比べると安全になったことがあげられます。ガス麻酔としては他にmethoxyflurane やholthaneがありますが、吸入が遅く、調整が困難で、あまり安全とはいえません。Isofuraneを使用するとアトロピンやグリコピロレートはほとんど必要ありません。もし唾液過剰や除脈がおこった場合はいずれかを使用することができます。全身麻酔の手順:

吸入:全身がリラックスするまで、5%のisofluraneで顔をマスクします。四肢を保定するためにタオルで巻いてもよい。
維持:1.5%から3.0%。マスクあるいは挿管。
挿管:内径2-3mmのCole気管内チューブを使用すると安易にできる。チューブは鼻部にテープで留めておいてよい。著者は、経口ではなく、注射での麻酔薬の使用はお勧めしません。(安全性も低く、かかり具合の調整も困難。)1下記は、フェレットに使用された薬物のリストです。フェレットは痛みに敏感です。とくに腸閉塞などによる腹部の痛みには敏感です。鎮痛剤を使用すると、麻酔からの回復がよりスムーズになる場合が多いようです。

薬物 投与量 投与経路 間隔
(鎮静剤)      
Acepromazine 0.1-0.2mg/kg IM,SC  
Diazepam 1.0-2.0mg/kg IM,SC  
(麻酔の混合)      
Ketamine +
 Diazepam
20-30mg/kg
  2mg/kg
IM  
(鎮痛剤)      
Butrophanol 0.1-0.5mg/kg IM,SC q 8-12hrs
Buprenoherine 0.01-0.05mg/kg IM,SC q 12-24hrs
Flunixin 0.5-2.0mg/kg SC q 6hrs


手術の準備:
麻酔前の評価:評価の基準は、個体のあらゆる病歴、とくに食欲、排泄物、活発さそして行動。身体検査は入念に。感染や心筋症、インスリノーマなどにかかっていないかを特に念入りに確認。
消化器官を食べ物が通過する時間が短いため、手術前の絶食は1〜4時間程で充分です。この時間以降、胃にあるすべてのものは食べ物ではなく、異物とみなされます。
以下の手順はすべて適切な全身麻酔のもとに行うことを前提としています。


卵巣子宮摘出術 および 精巣摘出術:
アメリカの商業フェレットファームが販売するフェレットは、通常、非常に若齢で(生後5-6週間)不妊/去勢は済まされており、臭腺も除去されています。
オスの去勢は、生後4-6ヶ月で行うことができます。季節によって精巣の大きさに変化がありますが(夏は大きい)、1年を通じての手術の方法に違いはありません。
フェレットの背中を下にして仰向けに寝かせます。注意深く陰嚢とその周辺を剃毛して清潔にし、感染を防ぎます。手術の準備と滅菌布は通常通りに整えます。(雄猫同様に)陰嚢を切開するか、精巣を陰嚢から前面に導くことができます。メス#15で、各精巣を覆っている皮膚と精巣鞘膜を0.5-1.0cm切開します。猫同様に、膜は乾いたガーゼでぬぐいとることができます。輸出管や血管はモスキートかん子で止めるか、吸収性縫合糸4-0で結さつしておきます。精索と精巣鞘膜は結さつ線から離れたところで切断し、鼠径管に戻す前に止血の確認をします。露出している組織は皮下に戻します。皮膚の切開部は、切開部の両端を並べて置いておくだけで縫合の必要はありません。同様の手順でもう片方の精巣を処置します。腫れや出血がないか、術後数時間は様子をみます。24時間は、あまり激しい行動(性的行動を含む)は控えるようにする。Butorphanolのような術後の鎮痛薬は必要ではありませんが、患者をベッドで休ませるのには役立ちます。
メスは、生後9ヶ月で性的に成熟します。外陰部の膨潤が発情の症状です。メスは発情までに不妊しなければなりません。(6-8ヶ月目で)。手術はほとんど猫と同様です。フェレットは背中をつけて仰向けに寝かせます。腹部は毛を短く刈り込み、無菌手術の準備をします。中心線を恥骨と臍の間で1-2cm切開します。フェレットの皮膚は大変やわらかく、腹筋系は非常に薄いため、1度目で容易に充分深く切開できます。腹腔へは白線を通じて入ります(白線は1-2mm とかなり幅が広く皮膚を切開するとすぐ見えます。)白線にほんの少し切れ目をいれ、腸から体壁をはなすように引っ張りあげ、メスか小さいはさみで切開部を延長します。そこには子宮があり、卵巣へ続く子宮角が外面化しています。卵巣の周囲の周囲は脂肪で覆われており、堤靭帯は猫のような細い綿状ではなく扇型に近い形です。細めの吸収性縫合糸4-0から5-0で血管を結さつするか、止血用の結さつクリップを使用することもできます。同様の方法でもう片方の卵巣も処置します。同様の器具を用いて、子宮頚部のすぐ上で子宮本体を切除します。白線は単線結さつ縫合で、皮下組織は連続縫合で、同様の吸収性縫合糸を使用して閉じます。皮膚は、単線結さつ縫合で閉じます。手術用のホッチキスも重宝します。術後鎮痛剤は通常、必要ではありません。

肛門嚢除去:
通常ペットショップで売られているフェレットは、大変若いうちに臭腺を除去されています(同時に不妊/去勢の手術も行われます)。この手術は、成獣の肛門嚢を除去する手術とは違います。個人ブリーダーにより繁殖され、輸出されたフェレットで、不妊/去勢/臭腺の手術が済まされていなければ、その飼い主が不快な臭いのために臭腺の除去を依頼してくることがあります。ですが、その手術が絶対に必要でない限り、お勧めしません。不快な臭いは、性ホルモンが誘発する皮下分泌物に起因しているため、不妊/去勢を済ませると体臭はおさまるからです。フェレットによっては、興奮したり驚いた時に、肛門嚢から臭いを放つ場合があります。これがコントロールできないフェレットでは肛門嚢を除去することも必要でしょう。
著者は、フェレットの腹部を下にうつ伏せにして、後肢を手術台の端から下に垂らし、尾部を背中にくくるかテープで留めておくことにしています。フェレットの背部を下に仰向けに寝かせ、後肢を前にくくっておく獣医師もいます。会陰部を剃毛し、消毒します。便の汚れが問題の場合は、一時的に折りたたんだガーゼを肛門にあててふさぎます。肛門嚢の開口部を確認します(位置は犬や猫と同じです)。開口部のほんの端だけを、湾曲した先の細いモスキート止血かん子でしっかりとつかむことができます。メス#15で管開口部の周囲(360°)の粘膜だけを完全に切断します。組織は肛門嚢の腺端からこすり落とすようにします。管を軽く引っぱり、嚢の腺でない部分を離断します。このとき直腸の括約筋を傷つけないことが大切です。肛門腺は、裂けたり、切れたりしないように、ひとかたまりで切除していまうのが最も好ましいでしょう。嚢組織は必ず完全に取り去ってください。分泌物の臭いはかなり強いものですが、すぐに消散してしまいます。悪臭は塩素漂白希釈溶液(水1リットルに漂白剤3cc)と、続いて洗剤クレンザーで落とすことができます。同様の手順で、もう一方の肛門嚢も処置しま す。粘膜の切開部は縫合する必要はありません。

腹部の手術:
フェレットの腹部を診査手術する必要はさまざまな状況下においてよくおこります。胃腸の異物、新生物、肝疾患、尿結石などがあげられます。
フェレットの腹部を手術する場合に大切なのは、すべての臓器を診て、複数の病気や問題を探すことです。手術の時点で診断に確信がないのであれば、できる限りの組織を生検材料として採取してください。特に胃、(触診して異物を確認、毛球、浸潤性の胃壁の病気)、膵臓、脾臓、腸間膜節そして副腎に注意してください。診査の都度、正常な組織がどのようなものかを学ぶ機会としてください。そうするうちに組織に対して異常をきたしている腺を認識しやすくなります。
手術の準備は、静脈カテーテル、温めた等浸透圧性の液体、暖かい周辺機器(温水循環毛布や心電図、ドップラー血圧計、血中ガスモニターなどの麻酔モニター)などがあげられます。
フェレットの背を下につけて仰向けに寝かせます。切開は腹腔内全体が充分に見えるだけの長さを中心線に沿っておこないます。湿らせたスポンジか腹部パッドを切開部の縁に詰めて、腹腔内の臓器を湿らせておきます。これらの手順に沿っていくうちにもフェレットの体温はどんどん下がっていきます。切開部を閉じる前に、無菌の等浸透圧温水で腹部を何度か洗浄すると、体温の異常低下にすこしは備えることができます。縫合は、卵巣子宮摘出術の場合と同様です。縫合には、細い(4-0か5-0)吸収性あるいは非反応性、非吸収性の縫合糸を使用するか、小型の止血結さつクリップを使用します。


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