顎の下にこぶのような腫れができてきた、血液検査の結果リンパ救の増加、白血病類似症候群と診断された場合、リンパ肉腫(癌)の疑いがあります。血便や毛細血管から出血しやすく、血がとまりにくい等白血病に似た症状を併発することもあります。めったにおこさない病気ですが、アメリカでは増えています。慢性のリンパ腫は高齢病ともいわれて、高齢のフェレットにおきやすいです。慢性のリンパ腫は早期発見と治療を心がけるようにしましょう。適切な治療で快復する例は多いです。
若齢のフェレットで急性発病することがあります。近年の研究結果により、感染性ウイルスが原因である可能性が高まってきました。アメリカでは小規模のフェレット繁殖場でしか発生していません。2才以下の若いフェレットに発症するのが特徴です。この病気は、血液数値が異常であってもフェレットが元気で外見的に変化がない場合もあれば、リンパ節が腫れたり、タール便が出たりする外見的変化がある場合もあります。ベビーは感染すればすぐに死んでしまいます。治療が遅れると大変なことになります。また感染を防ぐために、アメリカの繁殖場へ出入りしたり、病気のフェレットに接触したり、フェレットがたくさん集まるイベントへの参加は慎重にしましょう。
(参考資料)リンパ肉腫最新情報
(参考資料)解剖手術による病理組織
先天性の肝機能障害の場合はベビー時期に死亡してしまいやすいので、通常は一過性の場合が多いです。食欲不振が続いた場合や栄養不良の場合に数値があがる傾向があります。環境の変化やエサの選別に注意してください。急に複数飼育にした場合、エサの食べる量に気をつけましょう。エサは動物性タンパク質が豊富なフェレットフードを与えてください。また数値が高いときはダックスープやフェレットバイトで栄養を摂取させてください。
下痢や嘔吐を伴う場合には中毒性を疑う必要もあります。毒性のあるものを囓ってしまったりしていないか確認します。また毒虫にさされていないかも確認します。肝臓機能検査値の異常はリンパ腫、インスリノーマ、ウイルス感染、誤食、長期の下痢でも起こります。
慢性の肝機機能障害は遺伝性や薬の投与の影響、内臓疾患によるダメージも考えられます。肝機能の働きをよくする治療が必要です。
下記の「食欲がなくなった」も参照してください。
再生不良性貧血は病名ではなく、症状です。貧血があり、造血されない状態で、腎不全・腫瘍等による骨髄抑制でおこります。HCT(PCV)%が低く、再生がない(血液をニューメチレンブルー染色し、顕微鏡で赤血球の普段ない核や細胞の高染色性でみます:網状球、有核赤血球)。網状球は0〜0.5%が正常です。貧血無い場合は造血0%でも正常です。貧血あり、造血無い場合は異常です。
長期の下痢・食欲不振でも貧血症状をおこしますします。リンパ腫でもおこします。
治療はエリスロポエチンという造血を促すホルモン注射と輸血です。免疫増強性サプリメントと食欲や体重に問題あれば強制給餌も必要です。
フェレットは高温に弱い動物です。フェレットを(他のペットと同様)暑い車の中や締め切った暑い部屋に決して残してはいけません。もし屋外で飼っているなら、夏場は確実に日陰をつくりたくさんの水を必ず与えてなければいけません。日陰と冷たい水がなければ27℃程度の温度でも命に関わることがあります。
熱さの中でフェレットは、まずハアハアいって喘ぎ、次に力が抜け、意識を失います。
車の中に放置されたり窓際で温度が急上昇した場合には、急性日射病になることがあります。痰状の嘔吐物や吐血、下痢、痙攣、ショック死をおこしやすいです。
まず最初にやるべきことは、暑い場所からフェレットを連れだし、ゆっくりと体温をさげ始めることです。冷水が最も適しています(水で濡らしたタオルで体を包んであげてください。そして数分ごとにタオルを水で濡らします)。しかし冷たすぎてはいけません。なぜならフェレットの体温が必要以上に低下するからです。フェレットは体温の低下を止めることができません。飲ませることができる物は何でも飲ましていいのですが、意識がないときは飲ませてはいけません。
予防の一番いい方法はエアコンで涼しく保つことです。エアコンや扇風機が無い場合は、氷の入ったプラスチックの瓶をタオルで覆うのも方法です。濡れたタオルでケージを覆い、水の入ったバケツを上において、ぼろ切れの一方をバケツの中に浸し、もう一方をバケツの脇にたらしてタオルの上にかかるようにします。ぼろ切れは芯の役を果たし、タオルを常に濡らし、蒸散によってケージは涼しく保たれます。市販のペット用クーラーマットも便利です。
涼しい場所から急激に暑い場所へ移動したり、温度が急激に上昇したりした場合、過度のストレスが内蔵にかかることがあります。血便、粘液便、食欲不振、脱水症状を伴ったりします。水分補給や点滴、腸の粘膜を保護するお薬を与えます。また一時的な絶食(水分は必ず補給する)や流動食に変えて治療します。よく熱中症は感染症と間違いやすいですので気をつけてきちんとした対処をするようにしましょう。
夏の暑い時期はフェレットの環境に十分な配慮をして健康を守ってあげてください。
(参考資料)「フェレット夏対策」
食欲不振にはいろいろな原因が考えられます。水が適度に与えられないので喉が乾いて食べられない、エサの変化、ストレスや運動不足、風邪等病気が考えられます。ほかの症状をよく見て判断してください。また、毛の生え替わり時期には一時的に食欲がなくなり、体重減少がよくみられます。この場合は生え替わりが終わる頃にはもとの食欲にもどります(ただし、毛が腸内にたまってしまっている場合は毛玉除去剤を与える必要があります)。
良質のフェレットフードにはビタミンEが含まれており、欠乏することはまずありませんが、欠乏すると食欲不振、溶血性貧血がおきやすくなります。
肝臓疾患で食欲が減退することがあります。黄疸が同時にみられることも多いです。原因は成長期に動物性の高タンパク食事を与えなかったことが多いようです。良質の動物性タンパクの食事を与えなかったことで、貧血や免疫力低下(白血球の減少)の症状をおこすこともあります。肝臓疾患は消化が良く、また高タンパクで低脂肪が基本になります。ダックスープも併用してもいいでしょう。高脂肪の食事は肝臓に大きな負担がかかりますので避けるようにしましょう。肝臓疾患は体温維持が難しいですので、ヒーターや湯たんぽで保温が必要になります。肝臓疾患は肝炎のような感染性ではないので他のフェレットとの接触は心配はいらないでしょう。フェレットの食事には十分に注意してください。
(参考資料)「フェレット栄養学」
もし具合が悪いならば、フェレットフードをぬるま湯でふやかしたものをあげるのがよいでしょう。補助栄養剤(フェレットバイト)で栄養補給をしてあげることも有効な方法です。与える量は注意書きをよく読んで与えてください。まったく食事をとらなくなった場合は弱って死んでしまうことがありますので、無理にでも栄養剤を与えてすぐに獣医さんに診断してもらってください。病気療養中で食欲のないフェレットにはダックスープ で食事を与えるのもたいへん有効です。
ベビーの飼育で初心者がよくやってしまう失敗があります。ふやかしたエサを作るときに、熱いお湯でふやかして与えてしまい、フェレットが口の中をやけどしてしまうケースです。学習するので次にフードを与えても危険を感じて食べようとしなくなります。また食べるときに口に痛みを感じて普通に食べられなくなります。早めに獣医さんにみせてください。

強制給餌や薬剤投与は針なし注射器を犬歯の後ろに差し込んで流し込みます