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最初に
日本ではハリネズミのペットとしての歴史が浅い為、飼育方法について様々な説があります。なかには、かなり古い情報だったり、適切ではない情報もあり、ヨツユビハリネズミとナミハリネズミを混同した情報があったりします。また、インターネットなどでも、自己流の飼育だったり間違った情報が流れていることもあり注意が必要です。
ここでは複数の飼育専門書(洋書)や資料を見比べた上で適切な内容と判断した文章を元に、当社独自に作成したものを掲載しております。ですが、当社のやり方が必ずしも全てのハリネズミに適した方法とは限りません。あくまでも、飼育していく上で参考にして頂ければ幸いです。
ハリネズミを飼う前に…
ハリネズミは大変臆病な動物で、身を守る為に彼らの背中には鋭い針が生えています。
ある程度人に慣れますが、犬や猫のように一緒に遊んだり、抱っこや撫でるといったスキンシップが出来ない動物です。
(無理なスキンシップは彼らにとってストレスとなる場合もあります。)
また夜行性の為、人が普段起きて生活する時間帯は眠っていることが多いです。
このことから、ハリネズミはどちらかと言うと観賞用のペットと言えます。
ハリネズミを飼育される方は、彼らの特性を理解したうえでお世話をしてあげましょう。自分に懐かない、遊んでくれないからと言って、お世話を放棄してはいけません。
一度預かった命ですから、最後まで責任を持って面倒を見ることが飼い主の義務になります。
特にご注意いただきたいこと
夜行性について:ハリネズミは夜行性動物の為、昼間はゆっくり休めるよう静かな環境を作ってください。遊ばせたりコミュニケーションをするのは、ハリネズミが起きる夜10:00〜朝5:00くらいが目安です。昼間は丸まって寝ているので、小さいお子様が飼育すると、すぐに飽きてしまうことが多いです。
入浴について:ハリネズミは、お風呂にいれることが可能な動物ではありますが、ベビーや老齢でなく、健康で体力があって、室温が25度以上、低湿度で、すぐに乾く環境であること等が条件です。動物病院では皮膚の治療のために薬浴をすることもあります。海外のインターネット上の映像でお風呂の映像などがよく見かけますが、こういった条件が整っていないといけません。日本で寒い日に入浴させて、低体温症になって衰弱した事例が多く報告されています。必要でなければ、入浴はしないほうがいいと思います。野生のハリネズミは水浴びでなく砂浴びをします。
フードのふやかしについて:固いフードをそのまま食べれるハリネズミもいます。ふやかさないと食べる量が少なくなってしまうハリネズミもいます。幼少期から固いフードで食べ慣れているのでしたら、それでもかまわないでしょう。ただし、固いフードで口の中に口内炎や血豆(血腫)ができて、それが治るまでエサを食べなくなるというリスクがあります。当店ではふやかしフードを大人でも与えることを推奨しています。海外産の専用フードなら砂糖の添加はなく、ふやかしても虫歯の心配は低いです。
果物について:ペット用のアフリカヨツユビハリネズミは食虫動物です。中国産のマンシュウハリネズミやヨーロッパ産ナミハリネズミは雑食性なので、果物や野菜も食べます。アフリカヨツユビハリネズミにリンゴを与えると消化不良で緑便をしたり、胃腸に詰まったり、食欲がなくなったりすることがあります。ほんの少量でしたら、ちゃんと噛み砕いて、食べても健康に不都合がおきないハリネズミもいますが、体調不良の事例も多いため、与えないほうが無難です。
昆虫について:ハリネズミ専用フードは栄養バランスもいいので、フードだけでも育てられます。ただし、食欲がないとき、風邪をひいたとき、味覚が変わったときなどに、ミルワームやコオロギ、ピンクマウスを与えると、食欲増進効果や滋養強壮効果が期待できます。幼少のときから昆虫の味を覚えさせておくと、エサを食べずに困ったときに役に立ちます。
冬眠について:ペット用のアフリカヨツユビハリネズミは冬眠(春にはまた元気に動き出す)しません。中国産のマンシュウハリネズミやヨーロッパ産ナミハリネズミは冬眠して、また春には活発になります。ペットのアフリカヨツユビハリネズミは気温が下がると、低体温になり丸まって動かなくなります(見た目に冬眠状態に見えます)。すぐに温めて息を吹き返すこともありますが、そのまま死んでしまったり、障害が残ってしまいます。低体温症にさせないよう保温して育ててください。
夏眠について:ハリネズミは他の小動物より夏の暑さには強い動物です。夏はだいじょうぶとよく言われます。しかし、日本の高温多湿の夏にはお部屋の温度調整が必要です。高温になるとエサを食べなくなり(エサの品質劣化もあります)、眠っている状態に陥り、衰弱してします。大人の健康なハリネズミは32℃を超えないように、ベビーや体調不良のハリネズミは30℃を超えないようにエアコン調整をしてあげてください。
目について:他の小動物より視力は弱いです。全然見えていないわけではありません。アルビノ種はまったく見えていないハリネズミは多いです。そのかわり嗅覚が優れています。ですので風邪などで嗅覚が落ちているときは、エサの位置がわからないことがあるので、誘導してあげたり、給餌してあげたりしてください。
抱っこについて:デリケートな動物なので長時間のコミュニケーションは負担になることがあります。ただし、まったくコミュニケーションがないまま大人になると丸まって威嚇するだけのハリネズミになってしまいます。夜に飼い主さんの手の臭いを覚えるように、数分の抱っこがいいでしょう。高い位置から落下させるとその場ではなんともなくても数日後に歩行困難になったり、エサを食べなくなってしまうことがあるので、低い位置で下にクッション等を置いて安全な状況をつくってコミュニケーションしてあげてください。お子様が触るのはむつかしいです。
お散歩について:外でのお散歩は基本的に必要ではありません。お部屋の中での飼育が安全です。寝ているのを無理に起こしたりしないで、安全や衛生に十分に配慮をしてあげてください。運動は太り過ぎ防止や健康維持に大切です。夜に家の中で歩かせたり、回し車を使ってあげてください。
正しい飼育方法と快適な環境、愛情のあるスキンシップ
どんな動物にもこれはとても大切なことです。いつまでも健康で長生きしてもらいたいですし、幸せに生涯をすごしてもられたらと思います。そして一番大切なのは飼い主さんの愛情です。快適で愛情をいっぱいもらって育つハリネズミの表情は幸せそうですね。どうぞ幸せにしてあげてください。
正しい飼育方法といい環境、いい接し方で家族の一員になってもらうこともできます
飼い主さんの手の臭いを覚えることから慣れることが始まります
作成: SBSコーポレーション