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皮膚科系の症状かな?

皮膚に張りがなくなった

 張りのない皮膚も脱水症状が考えられます。フェレットのような小さな動物では脱水は非常に危険な状態です。脱水症状の要因(熱射病,下痢,その他)を取り除き早めの獣医さんの手当を必要とします。被毛が油っぽくなったり、下毛が黄色く変色してきた場合は、発情している可能性があり、不妊手術がきちんとされているか確認する必要があります。

抜け毛がおきる

 フェレットの毛は年に2回、春と秋に抜け替わります。これらの時期はフェレットの飼われている室内の照明状態でいくらか変化します。毛は新しいのが生えてくるまで、ちょっとまばらな感じになります。尻尾の毛だけが完全に抜けてしまう体質のフェレットもいます。抜け毛の時期には体重の減少もよく伴います。季節的な抜け毛は気にしなくてもかまいませんが、抜け毛を舐めて腸内に毛玉が溜まると腸閉塞を起こすことがあります。予防には腸内毛玉除去剤をなめさせます。

 
 尻尾の脱毛の状態

 他には、抜け毛は次の要因が考えられます。栄養不良、重いダニ感染、皮脂分泌物の毛穴詰まり(入浴不足)、乾燥肌、トイレ砂のアレルギーなどが可能性としてあげられます。

 
 背中の脱毛

 首輪やハーネスをつけっぱなしにしますと、蒸れたりして雑菌が増殖して炎症を起こすことがあります。また首輪の材質がアレルギーの原因にならないように選んであげてください。

 皮脂の分泌が激しい子は、毛穴が油で詰まってしまい、毛が抜けてしまうことがあります。このような場合には大体毛穴が黒ずんで、ゴマの様な物がついている様にみえます。刺激の強いシャンプーで洗ってしまった場合も脱毛をおこすことがあります。

 
 皮脂が毛穴につまり、毛が変色の状態

 木のチップ材(松・杉)でアレルギー性の皮膚病を起こしている場合があります。また紙砂でも細かいホコリが出るため、皮膚病や時に気管支炎の原因になる場合もあります。まれに化学繊維でアレルギーを起こして皮膚にトラブルをおこすこともあります。

 しっぽが完全にはげてしまうのは毛の抜け替わりの周期かストレスによるかもしれませんし、去勢していないフェレットでは繁殖期によく見られます。犬や猫のフード(低蛋白)を長期与えたり、炭水化物の過剰摂取、ビタミン・ミネラル欠乏も抜け毛や乾燥肌の症状を起こします。食事も見直してみてください。日照時間でホルモン分泌の影響を受けたりして脱毛することもありますので、深夜まで照明をつけていたりしないで照明を調整してあげてください。

 不妊手術のしていないメスのエストロジェン中毒に伴う脱毛、去勢手術のしていないオスの陰嚢の脱毛もあります。

 理由のわからない抜け毛は副腎領域の病気の症状である可能性もあります。理由の分からない抜け毛はどんなものでもすぐに検査してもらわなければいけません。もし、抜け毛がしっぽから始まり、だんだんと侵攻して、最後には頭と四肢の毛を残すのみになるなら、副腎腫瘍の疑いがあります。すぐに獣医さんの所にいってください。腫瘍ができている場合はその副腎を切除しなければなりません。早期手術で完治の可能性があります。若齢のフェレットが副腎腫瘍と類似した症状を示したり、急性な症状が出たような場合は、副腎皮質機能低下症(アジソン病)を疑う必要があります。

−−補足説明「副腎腫瘍」−−

 副腎疾患は、副腎より性ホルモンが過剰に分泌されることにより、色々な症状が発原します。副腎腫瘍(癌の一種)の症状は、老齢のフェレットによく見られ、極度の脱毛、虚弱、頻繁な排尿、性器からの分泌物(メス)、外陰部の肥大(メス)などがあります。血液検査で副腎の異常を推測でき、エコー検査で確認発見できます。早期に手術で腫瘍のある副腎を切除することです(ほとんど左側の副腎に腫瘍を形成することが多い)。早期治療により完治する病気ですが、数年後にもうひとつの副腎に転移することもありえます。左側の副腎は容易に摘出できますが、右側の副腎は大動脈に密着しているため高度な手術となってしまいます。副腎腫瘍の症状としての脱毛は尻尾からおこることがほとんどですが、頭から脱毛したり全然脱毛しない例もあります。

 
 エコー検査により副腎腫瘍が発見

 メスの場合、不妊手術不完全によるエストラス症と誤解されやすいので、よく検査してもらう必要があります。2才以上のメスに初めて症状があらわれた場合は手術不完全ではなく、副腎腫瘍の可能性が高いです。老齢のフェレットは、半年に1度の定期検診をおすすめします。

 遺伝性やフードに含まれる添加物が原因という説もありますが、どんな繁殖場のフェレットにもおきますし、どんなフードを与えても同じように発生することから、幼少の不妊手術が原因という説があります(犬の不妊手術と腫瘍の研究がすすんでますが、有力な研究結果がでていません。)。手術済のフェレットでしたらどんな子でも高齢になるとおきやすいようです。未手術のフェレットでも発生率は変わらないと言われています。フェレット臨床学ではまだ研究段階です。最近では、室内照明の光が長時間になることが性ホルモンの分泌を活発にさせてしまうという説も有力になっています。フェレットの生殖と光周期が密接なことと、ヨーロッパでの室外飼育で昼夜の日照時間がきまっているケースに副腎腫瘍の発生が少ないという実例があります。夜は早めに消灯したり布をケージにかけたりすることも健康上によいと思われます。

 最近の人間の癌の研究でも、「睡眠」と「光刺激」によって免疫ホルモン(メラトニン)の分泌低下で発がん率があがることが実証され、睡眠時間をしっかりとることと、真っ暗の環境で寝ることが、予防になるといわれています。

 ビタミンAとEの補給が副腎の強化と病気の予防にもなります(バイタソール栄養剤等)。5歳以上のフェレットには手術は負担が大きすぎますのでよく獣医師と相談されることをおすすめします。手術ができないフェレットには抗エストロジェン薬の注射や薬の投与で治療(オダイン、カソデックス、ルプロン、酢酸リュープロレリン等)する方法もあります。抗エストロジェン薬はホルモンを押さえる効果のある注射です。手術のような負担は少ないですが、根本的な解決法ではなく、月に1回程度の接種を続ける必要があります。アメリカの獣医師の間ではサプルメントをよく用いています。ビタミンはとくに多量に与えています。フードは消化しやすいようにふやかして与えたほうがいいです。ダックスープ食事もおすすめです。

 最近では副腎腫瘍の予防の方法として、出来るだけ季節に合わせて室内照明を消して、夜間にゲージに光が当たらないようにということがいわれています。アメリカでは日照時間を人工的にコントロールして副腎の機能を抑制する治療の試みがおこなわれています。暗闇の中では、フェレットの体内にはメラトニンが生産され、このメラトニンが内分泌系の悪性腫瘍に対抗して、予防する働きがあるとの臨床実験の報告があります。家庭の都合で夜でも照明をつけなくてはいけない場合は。ケージに遮光性布をかけたり、もぐって寝ることのできる寝具を用意してあげてください。

   
 副腎腫瘍による脱毛(左写真は初期症状、右写真は後期症状)。このフェレットは手術により完治。

(参考資料)副腎腫瘍最新情報
(参考資料)副腎皮質機能低下症情報
(参考資料)解剖手術による病理組織
(参考資料)高齢フェレット飼育体験

Q.シッポから背中にかけて毛が抜け出してしまい、血液検査をしたところ貧血ぎみでした。他に肝機能の数値が高目でした。自宅ではどのようにしたらいいでしょうか?

A.副腎腫瘍か季節性のホルモンの過剰時期にあたるかのどちらかです。食欲低下傾向、骨髄のストレス状況(副腎腫瘍からのエストロゲン過剰、季節性のホルモンの過剰時期のための骨髄毒性)、長期の下痢の時のトレンドですね。アガリクス投与で免疫を上げてください。腫瘍の血管新生を邪魔する、副作用の無い栄養補助食品に漢方薬の「アガリーペットサメ軟骨」があります。この粉末製品が動物病院で1包で10日分で、320円程度で買えますよ。これの生涯投与が良いです。水に溶いてシリンジで飲ませるか、フェレットバイトに混ぜ舐めさせる方法で与えます。


共立製薬株式会社のアガリーペットサメ軟膏は共和アガリスク茸とサメ軟膏から製造されており、腫瘍の成長を抑える働きがありますので副腎腫瘍以外の腫瘍にもおすすめです
*健康食品は「まがい物」も多いので注意しましょう。上記の製品は動物病院で購入できます。

ネイチャー・アニマル・ホスピタル
玉川清司院長

※アガリーペットサメ軟膏は、医薬品メーカーの商品のため、お近くの動物病院で取り寄せてもらってください。当店でも販売できます。1包、320円。1箱50包、\16,000。動物病院で購入できない場合はお問い合せください。

皮膚に発疹ができた

 原因に関しては、乾燥肌、外部寄生虫、ノミ、ミミダニ、毛包内への細菌感染、真菌、内分泌疾患、ジステンパーにおいても見られます。

 これらの軽度な皮膚疾患は年をとるに従ってみられるようになります。飼育管理が悪かったり、必要以上にシャンプーすることで、悪化させることもあります(月に1〜2回が一般的)。また肌にあわないシャンプーを使用したことも考えられます。(フェレット用の中性シャンプーとリンスが乾燥肌の予防と治療になります)

 他に考えられる原因にアレルギーがあります。この場合原因がノミであってもダニであっても、かまれた患部のまわりに血液が乾いてピンク色やオレンジ色になっているでしょう。まれに食餌性アレルギーがあります。フードに使用される素材の一部や添加物にたいして反応して発疹ができるというものです。フードの銘柄を変えることによってすぐに改善されます。

 
 皮膚の発疹にはいろんな原因があります

 しっぽにだけおきる毛の変色、皮膚の黒ずみには、さまざまな原因が考えられます。季節の変わり目には新陳代謝が活発になり生理的な要因としておきたりもしますし、ダニアレルギーや皮膚病、皮膚腫瘍なども考えられます。内分泌疾患(インスリノーマや副腎腫瘍)の症状のひとつとしてあらわれることもあります。

 最近は、特定の繁殖場のフェレットにニキビダニが発生する事例が増えています。母子感染の要因があります。また品評会などのイベントで人間の手を介して感染していくケースもあります。

 原因をはやく突き止めて対処します。原因がはっきりしない場合は獣医さんに相談します。

−−補足説明「ニキビダニ症」−−

 ニキビダニは多くの哺乳類に存在します。ヒトはもちろんイヌ、ネコ、フェレット、ハムスターなどの動物にも広く寄生している。特にイヌのニキビダニ症はイヌの皮膚病の中で上位をほこる発生率です。その伝播は生後母から子へ出生直後に行われます。健康な動物であってもその皮膚に少数は寄生していますが通常は無症状です。発症させやすくする要因としては副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、糖尿病、リンパ腫、免疫抑制剤の投与、発情、出産、重度の全身性疾患などがあげられます。顔面や四肢の脱毛として発症する局所性と全身性があります。臨床症状はさまざまですが、脱毛、鱗屑、脂漏症、紅斑、嚢胞、丘疹、痂皮、びらん、潰瘍などがあります。検査は皮膚掻爬によって容易に診断されます。ニキビダニ症では細菌性毛包炎、深部膿皮症、皮膚糸状菌症が重要です。局所性ではその90%以上が自然治癒するので治療が必要ない可能性もあります。治療は抗生物質の全身投与と抗菌シャンプー、薬浴による局所療法で対処します。全身性ニキビダニ症ではアミトラズ、ミルベマイシン、イベルメクチンなどが使用されています。

皮膚に腫れ物ができた

 丸くて少し盛り上がる炎症したような腫れ物(表面に血のかたまりがついている場合もある)ができて、フェレットがかゆがっているような場合は腫瘍(新生物)が考えられます。良性のものもあれば悪性(癌)もあります。獣医さんに看てもらい、必要なら手術で除去してもらいます。

 腹部に突起物がある場合、不妊手術の失敗が考えられます。卵巣や睾丸の摘出手術の際に、一部を取り残してしまい、それが炎症をおこしたという場合です。また糸が体内に残っていたという例もあります。再手術をする必要があります。

ノミがついた

 ノミとりはまずシャンプーをすることです。まず首にシャンプーの泡で輪を作るようにして洗います。そして段々下半身に向かって洗っていきます。シャンプーのあとにはフェレット専用のノミとりスプレーを毛にスプレーします。
市販の他の動物用のノミ製品の中に、一部に有害なものもあるとの報告もありますので注意が必要です。

 獣医さんで処方されるノミ取り剤には「フロントライン」と「アドバンテージ」がありますが、フロントラインは作用効果が強く子犬には使用できないタイプですので、フェレットにはあまり使用されません。アドバンテージは子犬にも使用できるやさしいタイプでフェレットにもよく使われます。

 フェレットだけでなく同居の他のペットやケージ、そしてお部屋全体もノミ退治しなければいけないでしょう。外出先から帰った飼い主の靴や服にノミの卵がついていることもあるのでノミは本当にやっかいです。

肉球(足の裏)が荒れた

 通常ハードパットと呼ばれるこの症状は様々な原因が考えられます。一番多いのが合わない「トイレ砂」の使用です。皮膚の水分を吸収してしまうポリマー成分配合の猫用の砂を使用すると皮膚が乾燥して肌荒れをおこします。この場合は軟膏を塗って、砂をかえることで解決します。風邪による症状のひとつやケージの底網があわない(床づれ)もありえます。基本的に底に金属アミは使用しないほうがいいでしょう。炎症をおこしやすくなります。他の症状や環境を見直してみてください。真菌(水虫)の感染症、最悪の場合ジステンパー感染の症状も考えられますので上記以外の場合は一度、獣医さんに診察してもらうのがよいでしょう。

皮膚が黒ずんだ

 手術や治療のために、毛を剃ると、直接にケージの網にぶつけてしまうので、内出血をおこしやすくなります。毛が皮膚を保護することができないためです。また、毛が毛根部分から生え始めたところが黒く見えることもあります。毛がないので、炎症もおこしやすいので注意と観察をしましょう。
 


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